朝井リョウ・インタビュー 「近況報告……こんな日々です」『何様』刊行記念

インタビュー

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何様

『何様』

著者
朝井 リョウ [著]
出版社
新潮社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784103330622
発売日
2016/08/31
価格
1,728円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『何様』刊行記念インタビュー 朝井リョウ/「近況報告……こんな日々です」

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朝井リョウさん

Q 『何者』での直木賞受賞から三年半経ちました。当時のことで一番記憶に残っているのは?

A 受賞会見の次の日の朝、出勤したら当時の勤め先の社長から高いお酒をいただいたこと……と言いたいのですが、そのくらいたくさんの人に祝っていただいた中、その日突然ランチに誘ってきた同期が直木賞のことなんて全く知らなかったこと。てっきりその同期に祝われると思っていたので、祝われ慣れしている自分の衿を正そうと思いました。

Q 平均睡眠時間は?

A 6~7時間は寝るようにしています。

Q 朝起きて、最初にすることは?

A 白湯を飲むこと。そうすると腸が動き出して、快便ライフが始まります。

Q 朝食は食べますか?

A 納豆ご飯を食べることが多いです。きちんと食べておくとやっぱり一日快調な気がします。

Q 小さい頃好きだったたべものは?

A 鮎の甘露煮。今でも好きですが東京だとなかなか食べる機会がありません。

Q 家にいつもある食料は?

A 納豆、キムチ、きな粉、牛乳、グレープフルーツジュース。このあたりは欠かしません。

Q 何時頃から執筆を開始していますか。

A 昨年会社を辞めて専業になりましたが、会社勤めをしていたころと同じようにしたいので、会社員時代の10時始業に合わせて、10時にはパソコンに向かっているよう心がけています。

Q 運動を心がけたりしていますか?

A バレーボールと水泳をするようにしています。前者はただただ好きだから、後者は「人間は肩から動かなくなっていく」という話を聞いたため。

Q 一週間のなかで、曜日で決めて動いていることはありますか?

A 日曜日のバレーボール。練習に行けるようにいろいろ調整することで生活によい影響があると思います。

Q ピアノを弾かれるのですよね、よく弾くのはどんな曲ですか?

A 最近手に入れた電子ピアノではベートーヴェンの遺作と言われている「さらばピアノよ」(メロディがあまりにも好き&あんまり難しくないので陶酔して弾ける)、テオドール・エステンの「アルプスの鐘」(曲調がコロコロ変わるので弾いていて飽きない)。上手な人の動きや顔の感じで弾きますが下手です。

Q この春からは、新聞の書評委員の仕事をしていらっしゃいますが、本はいつどこでどんなふうに読みますか?

A お風呂の中、電車の中で読むことが多いです。ただ、どちらも読みながらメモを取ったりしにくいので、書評用の本を読むときはわりと環境が整った場所で集中して読みます。

Q 最近読んだ本で、誰かに伝えたい本がありますか。

A 崔実(チェシル)さんの『ジニのパズル』。私がこれを書かなければならぬ!という著者の熱を感じました。

Q 最近一番うれしかったことは?

A 『何者』が単行本文庫累計50万部を突破したこと。世界で一番好きな言葉が重版&増刷。

Q 深夜ラジオのヘビーリスナーとのことですが、ご自身も、昨年春から今年の3月まで深夜番組のパーソナリティーを一年間担当されました。ラジオはその後も聴いていますか。

A 聴いています。今はオールナイトニッポンだと岡村隆史さん、オードリー。オールナイトニッポン0だとニューヨーク、三四郎、あとはおぎやはぎのメガネびいき、バナナマンのバナナムーンGOLDあたりを聴いています。

Q 最近誰かをお祝いしたことは?

A 作家の柚木麻子さんの誕生日をお祝いしました。とんでもないパーティでした。

Q 人工知能に関心があるとか。どんなロボットが欲しいですか。

A エンタメ性の高いストーリーを考えてくれるロボット。その部分に関してはAIには勝てないと思います。ストーリーを繋ぐ文章はまだ人間のほうが上手だと思うのですが。

Q 最近自分が変わった、と思うところがありますか。

A エンタメ性の高いストーリーものを書くモチベーションがものすごく低くなってしまったところ。デビューしてすぐのころはもっと純粋にストーリーものを楽しめていたのですがその気持ちがなくなってきており、エンタメ作家としてマズイと思うので、今リハビリ中です。

Q これから書きたいことは。

A 最近は「メッセージ伝えたるでえ!」「価値観揺さぶったるでえ!」みたいな話を書かなければというモードだったので、単純に、読んでいて楽しい、読み終わってしまうのが悲しい、みたいなストーリーものを書けるような精神状態を取り戻したいです。

Q 今年は作品がドラマ化、アニメ化、映画化、と他メディアで創られて話題になっています。期待と不安と、そして現実……いかがでしたか。

A 何かひとつのきっかけで大きく変化する、なんてことはないということを思い知りました。地道に新しい作品を生み続けなければ、と痛感しています。

Q このところ、よく発言している「老害」ということの、何が嫌で不安なのでしょうか。

A 新しいもの、自分が知らないものを受け入れられない人に出会うとすごくイライラするんです。でも自分はアナログな人間なので、精神的には老害に近いです。

Q いつか必ずやりたいことは?

A 文庫で何巻にも亘るような、外伝やスピンオフもあるようなスポーツものを満足いく形で完結させること。何回か出場しているのですが、いくら出場しても勝ち進めないビーチバレー大会でいいところまで勝ち進むこと――優勝は100%無理ですが。

Q これからの五年、目標はありますか。

A デビュー十周年までに本屋大賞をとりたい。憧れの「エッセイ三部作」を完成させたい(さくらももこさんのエッセイ三部作が大好き)。スポーツ長編を書いてリベンジしたい。

Q 結婚生活や父親になることについてイメージできますか。

A まだわかりません。

Q 映画『何者』を観客として観たご感想は?

A 内容がかなり原作に沿っているため観客という距離感では観られないのですが、クライマックスの映像ならではの表現方法に驚きました。三浦大輔監督だからこそできた代替のきかないシーンを観られて嬉しかったです。

Q 新刊『何様』の読者へひとこと、どうぞ。

A 『何者』の中で少し浮いている謎を解決しつつ、6篇目を読み終わるころにはアナザーストーリーではない新しい物語を読んだと思っていただける作品になっています。よろしくお願いいたします。

(質問者=編集部)

新潮社 波
2016年9月号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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