【児童書】『世界一の三人きょうだい』 両親抜きの冒険の日々

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世界一の三人きょうだい

『世界一の三人きょうだい』

著者
グードルン・メプス [著]/はたさわゆうこ [訳]/山西ゲンイチ [著]
出版社
徳間書店
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784198642051
発売日
2016/07/13
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【児童書】『世界一の三人きょうだい』 両親抜きの冒険の日々

[レビュアー] 産経新聞社

 年の離れたきょうだいがいると、いろんな体験ができて楽しく世界も広がる。

 ドイツに住む小学3年生の女の子・マキシは、まだおむつの取れない小さな弟と大学生のお兄ちゃんの3人きょうだいだ。ある日、パパとママが家を空けることになり、マキシと弟は、1人暮らしをしているお兄ちゃんのアパートで1週間過ごすことに。

 ワクワクするマキシだが、弟のゲロの後始末やトイレの世話、コインランドリーでの洗濯を通して、子育てや家事の大変さを実感。大学では一緒に講義を受けて教授に質問を投げかけたり、放課後はお兄ちゃんのバンド練習に加わって大はしゃぎ。さらにアルバイト先のカフェでは、ケーキを運ぶお手伝いをして、ちょっぴり大人の世界を味わう。こんな経験ができるのもお兄ちゃんや弟がいてこそだ。

 子供の気持ちを丁寧に描くことで定評のあるドイツの人気児童文学作家の翻訳作品。きょうだいって素晴らしい。その関係性から生まれる喜びや学びは万国共通だ。(グードルン・メプス作、山西ゲンイチ絵、はたさわゆうこ訳/徳間書店1400円+税)(横山由紀子)

産経新聞
2016年9月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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