『挽歌の宛先』
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終わらない震災の痛みと「祈り」の意味を宗教者と共に『挽歌の宛先 祈りと震災』
[レビュアー] キリスト新聞社
祈りや信仰心からのアプローチで東日本大震災と向き合った「河北新報」の連載(2015年1~7月)が単行本になった。「宗教的立場から未曽有の大災害とどう向き合い、どう寄り添っていくべきか」を、宗教とは無縁の一般紙が連続して取り上げたことの意義は小さくない。
取材班は、被災者への聞き取りから「大切な人を失った悲しみは時がたてば癒えるというものではない」「残された人は亡き人の存在を感じながら、悲しみと共に亡き人と生きていく」ということを体感する。
宗教者だけでなく、作家、アーティストらの言葉と共に、連載に寄せられた読者からの手記も収録されており、土着の信仰と「祈り」の意味を考えさせられる。