『三六〇〇日の奇跡 「がん」と闘う舞姫』吉野ゆりえ著

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『三六〇〇日の奇跡 「がん」と闘う舞姫』吉野ゆりえ著

[レビュアー] 産経新聞社

 5年生存率7%とされる希少がん「肉腫(サルコーマ)」と診断された後、11年間を生き延びた元ダンサーの遺作。文芸タウン誌「かまくら春秋」に連載した手記を単行本化した。著者は7月30日、48歳で死去した。

 本作には、11年前に良性腫瘍と誤診された最初の手術とその後の19回に及ぶ切除手術、日本初のブラインドダンス大会の開催に奔走した日々、治療法のない現状を打開するため「サルコーマセンター」設立に尽力し、入院後も中学校で「いのちの授業」を続けたことなどがつづられる。最期まで命の火を輝かせた生き方に頭が下がる。(星槎大学出版会・1800円+税)

産経新聞
2016年9月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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