世界的彫刻家・砂澤ビッキの息子でアイヌ系日本人の著者が、北海道の「アイヌ利権」を告発した書である。
著者を駆り立てたのは、最大のアイヌ団体である北海道アイヌ協会の行為が《弱者の自立心を奪い、補助金漬けにしながら、彼らを利用し、「まだまだ差別が存在する」と弱者利権を貪(むさぼ)っている》という憤りである。かつ、こうした「不正」を監視し、ただすべき行政やメディアは、アイヌ協会と事を構えるのを避け、「不正」に目を向けようとしないという。一次資料に裏付けられた数々の事例には唖然(あぜん)とさせられる。(育鵬社・1500円+税)
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2016年9月18日 掲載
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