【児童書】『もしも地球がひとつのリンゴだったら』

レビュー

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もしも地球がひとつのリンゴだったら

『もしも地球がひとつのリンゴだったら』

著者
デビッド・J・スミス [著]/スティーブ・アダムス [イラスト]/千葉茂樹 [訳]
出版社
小峰書店
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784338282062
発売日
2016/07/23
価格
1,620円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【児童書】『もしも地球がひとつのリンゴだったら』

[レビュアー] 篠原知存(産経新聞 文化部編集委員)

 ■1%の富を世界の半数で

 世界がもし100人の村だったら…。なんてたとえ話が流行したのは世紀が変わるころだっけ。規模が大きすぎてなかなか理解しにくい概念を、わかりやすいスケールに直すのは、いいアイデアだった。

 本書も、縮尺を変える手法で、さまざまな事象についての理解を深めることを試みている。たとえば〈45億年の地球の歴史を1年間に縮めたら…〉。海で最初の生命が生まれるのは3月の3週目。陸に最初の生物があらわれるのは、11月末から12月にかけて。〈大晦日(おおみそか)ちかくになって、ようやく人類登場〉。

 3千年の歴史を1カ月の暦にしたページも面白い。1日は鉄器の普及。10日にキリスト誕生。最初のコンピューター完成が30日。ネット時代はまだ2日目だ。

 必読は、お金のページ。世界中のお金を100枚のコインに直すと〈人口の上位1%のお金持ちで40枚を持っている。9%で45枚。40%で14枚〉。さて残りは…計算できただろうか。世界の半分の人が〈たった1枚のコインを分けあっている〉らしい。(デビッド・J・スミス文、スティーブ・アダムス絵、千葉茂樹訳/小峰書店・1500円+税)

産経新聞
2016年9月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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