両足切断ミイラ、死体移動、やりすぎ

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武家屋敷の殺人

『武家屋敷の殺人』

著者
小島 正樹 [著]
出版社
講談社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784062934732
発売日
2016/08/11
価格
1,056円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

両足切断ミイラ、死体移動、やりすぎ

[レビュアー] 図書新聞

 二〇〇九年に講談社ノベルスから刊行された作品が全面改稿されて、さらにパワーアップ。困った人を放っておけないタイプの弁護士・川路弘太郎のもとに、生家を探してほしいという孤児院育ちの女性が訪れる。彼女が置き去りにされた際、かごのなかに入っていた手紙を手掛かりに、川路は、無愛想な友人・那珂邦彦とともに捜索に乗り出すと、厳めしい武家屋敷にたどり着く。二人はそこで両足を切断されたミイラを目撃してしまい……。血を流す塀、死体移動、氷室の消失など、とにかく仕掛けがてんこ盛り。「?」が「!」に次々と反転していく「やりすぎミステリ」の作風は初期作品(デビューは二〇〇五年、島田荘司との共著『天に還る舟』)から全面開花していたことがよく分かる。解説は千街晶之。(8・10刊、五九二頁・本体九六〇円・講談社文庫)

図書新聞
2016年10月8日号(3273号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

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