明文堂書店石川松任店「先を読ませぬ、刺激的で壮大なエンターテイメント!」【書店員レビュー】

レビュー

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代体

『代体』

著者
山田 宗樹 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784041041260
発売日
2016/05/26
価格
1,836円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

明文堂書店石川松任店「先を読ませぬ、刺激的で壮大なエンターテイメント!」【書店員レビュー】

[レビュアー] 明文堂書店石川松任店(書店員)

事故などで入院が必要になった際でも社会活動を継続するために、転送装置を経由することにより意識を自分の肉体から代体(人造人体)に転送することが可能になった世界が舞台となっている本書は、死に対する倫理観や自我の崩壊といった危うい問題にも積極的に踏み込んでいく。刺激的で、そして無類の面白さを持つ壮大なエンターテイメントだ。特に先を読ませない展開が魅力的である。
代体使用中に自身の肉体が死亡し、代体の中に意識を残したまま行方不明になっていた喜里川正人の代体が発見された。代体メーカー「タカサキ・メディカル工業」の営業部で働く八田輝明が駆け付けた所、代体は遺体のように変わり果てた姿になっていた。自殺かのように思われたが、不審な点に気付く。そして彼は、肉体を失って意識だけの状態で存在し続ける人々についてのことを聞かされる。そんな物語の発端からどういう風に話が進んでいくか予想できる人は中々いないと思います。
自分という存在を見失いそうになる恐怖の先に、それでも自分自身を信じたいという希望が立ち上がる。そんな震えるような結末を是非、味わってください。

トーハン e-hon
2016年10月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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