ファッション改善のポイントは、3分の壁を超えること。男のおしゃれの基本ルール

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おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の「服選び」

『おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の「服選び」』

著者
大山旬 [著]
出版社
大和書房
ISBN
9784479783633
発売日
2016/10/21
価格
1,512円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

ファッション改善のポイントは、3分の壁を超えること。男のおしゃれの基本ルール

[レビュアー] 印南敦史

おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の「服選び」』(大山 旬著、大和書房)の著者は、「パーソナルスタイリスト」。芸能人やモデルなどではなく、「どんな服を着ればいいのかわからない」「ファッションセンスに自信がない」といった思いを抱く一般の人を対象として、マンツーマンでファッションコーディネートを行なっているのだそうです。

おしゃれな服をお客さんの代わりに選ぶのではなく、おしゃれの方法を伝え、自分で素敵な服を選べるようになってもらうことが一番の目的なのだとか。つまり「ファッションの個別指導」的な役割を担っているわけで、これまで7年にわたり、3000名以上のファッションの悩みに向き合ってきたのだといいます。

日々のスタイリングの中で僕がお客さんに提案しているのは、流行をふんだんに取り入れた最新のファッションではありません。
ベーシックかつオーソドックスなファッション、つまり、「ふつうの服をふつうに着る」ということです。
実生活の中で変に目立ちすぎず、周囲の人たちに「さりげなく好印象を与える」ということをもっとも大切に考えています。(「はじめに」より)

たしかに、「服なんて着られれば十分」「機能的なものを着ればいい」というような考え方もあるでしょう。しかし、「大人になったいまだからこそ、ファッションはとても重要なもの」だというのが著者の考えかた。また、「体型や容姿などはすぐには変えられないけれど、ファッションだったらすぐに変えることができる」とも主張しています。

ファッションを変えるだけで周囲の反応が変わるのであれば、意識してみるべき価値はありそうです。きょうは第1章「男のおしゃれの超・基本ルール」から、いくつかのポイントを引き出してみたいと思います。

最短で80点を目指す

ファッションは友だちや店員さんなど、誰かが教えてくれるものではありません。そのため、おしゃれになりたいと思ったとき、参考のためにとファッション雑誌を手に取る人も多いのではないでしょうか?

ところが、そこに載っているのは高い服ばかり。しかもスタイル抜群のモデルがかっこよく流行りの服を着ているので、自分がそれを着ているイメージはなかなかつかみにくいものです。だから、ファッション雑誌を読んで「自分には無理かもしれない」とあきらめてしまう人も少なくないのだと著者は指摘します。

でも、多くの人が本当に求めているのは、自分の身の丈にあった「自然体のおしゃれ」であるはず。そして、それを実現するために必要な知識は、実はそれほど多くないのだといいます。また、無理にお金をかけなくても、おしゃれになる方法はいくらでもあるそうです。

それに、おしゃれすぎることは、かえってマイナスに働くことも多いもの。事実、女性の意見を聞くと、おしゃれすぎる男性の好感度は決して高くないのだといいます。そこで著者は、女性の持つ「理想の男性ファッション像」に注目しています。

“男性のファッションは、清潔感があってシンプルがいい”
(29ページより)

ファッション雑誌に載っているようなファッションは、実生活ではそれほど必要のないもの。そこで、「100点満点中80点を目指しましょう」と著者は提案しています。

なお、必要なノウハウは簡単に身につけることができ、基本となる知識も時代によって大きく変化することはないもの。にもかかわらず、この「80点ファッション」を実現できている人はそれほど多くないのだそうです。おしゃれな人はとことんおしゃれだけれど、そうでない人は50点にも満たないというケースはとても多いというのです。だとすれば、いつの時代にも左右されない80点のファッションスキルは、ぜひとも身につけておきたいところです。(26ページより)

試着して「3分の壁」を乗り越える

著者によれば、ファッションを改善する際に大きな壁となるのが「苦手意識」。その人の「いまのファッション」は、これまでの習慣の積み重ねでできているもの。だから、これまで着たことのない服に違和感を覚えたり、一度苦手意識を持ってしまった服を受け入れられないのは当然だというわけとです。

しかし現実的に、多くの人が持っているこだわりや苦手意識の多くは、「思い込み」なのだそうです。思い込みがあるからこそ、「似合わない」と感じてしまうということ。

普段よく着る服を違和感なく着られるのは、目が慣れているから。ところが、あまり着たことのない服は見慣れていないため、着た瞬間に「あ、似合わないな」と感じてしまうというのです。だからこそまず大切なのは、こういった苦手意識を少しずつ手放していくこと。

そこで、覚えておいてほしいことがあると著者はいいます。それは、「最初に違和感を覚えても、3分経てば少しずつ見慣れてくる」ということ。しかし多くの人は、この「3分の壁」を超えられず、着た瞬間に「似合わない」と判断してしまいがち。でも、それはもったいないことでもあります。そのため試着室で鏡を見たり、店員さんとコミュニケーションをとりながら、3分の壁を越えることからチャレンジすべきだというのです。

ちなみに、なぜ苦手意識を手放すべきかといえば、ファッションは変化を取り入れることが大切だから。事実、ファッションが苦手な人ほど、未体験の服がたくさんあるもの。しかし、自分が経験したことのある「安心できる服」だけを着ていても、ずっと同じ時代のファッションにとどまってしまうことになるため、おしゃれになることはないのだそうです。そうではなく、その時々の空気感をほどよく取り入れつつ、自分のファッションを少しずつ変化させていくべきだという考え方。

著者が「3分の壁」にこだわるのは、そんな理由があるから。そのため、食わず嫌いをせず、まずは試着をしてみるべきだと強調しています。(30ページより)

定番ものにはしっかり投資。流行ものは安く

大人のファッションを考える際に意識すべきは、「定番」と「流行」という2つのものさし。どちらが正解というわけではなく、両者をうまくミックスしながらコーディネートを構成することが大切だといいます。

定番は昔から変わらないアイテムなので新鮮さには欠けるとはいえ、見ていて違和感がなく、自然に感じられるもの。白のボタンダウンシャツやブルージーンズ、無地のTシャツなどがそれにあたりますが、この「違和感なく着られる」という点がとても重要。奇をてらうだけがおしゃれではなく、「普通の服をていねいに着る」ことが、実はとても大切なのだと著者はいいます。

ところが、普通すぎて目立たないため、定番服は軽く考えられがち。つい華やかな流行服に手が伸びてしまうというわけですが、流行の服ばかりを揃えると、コーディネートで必ず迷うようになるそうです。だから、まずは派手さのない定番アイテムから買い揃えていくべき。

そして定番アイテムについて大切なのは、定期的に入れ替えること。なぜなら定番アイテムとはいっても、時代によって少しずつ変化するものだから。すでに持っているからそれをずっと使うのではなく、数年ごとに買い換えることが大切だというわけです。時間が経てば、素材の風合いもくたびれていくもの。ちょうどいい入れ替えのスパンは、3~5年だそうです。

しかし、だからといって流行ものが不要だということではなく、ほどよくつきあうことが大切だと著者は記しています。定番アイテムは自然に見えて便利である反面、退屈に見えるというデメリットも。そこで、流行アイテムによってそのデメリットを補えばいいということです。

ただし全身を流行アイテムでコーディネートするのは難易度が高く、80点ファッションを目指すうえでは必要のないこと。そこで、定番アイテムのなかに、1~2点だけ流行アイテムを取り入れるのがちょうどいいバランスだといいます。

また流行アイテムといっても、取り入れやすいものと、そうでないものがあるのだといいます。そこで、「最近着ている人が多いなぁ」「もしかしたら自分にも似合うかも」と感じるようなアイテムから試してみるとよいそうです。

そして流行アイテムこそ、ファストファッションブランドを上手に活用すべき。ユニクロにもトレンドアイテムの取り扱いがあるので、まずはそれを試着してみることを著者は勧めています。

流行のアイテムを上手に使いこなすためには、定番アイテムの土台をしっかり整えておくことが大切。定番と流行は相反するのではなく、それぞれの特徴を活かし、うまくミックスする。そうすることで、素敵なファッションを組み立てることができるというわけです。(34ページより)

「カジュアル着」「スーツスタイル」「ジャケパン」の法則に加え、センスを磨くテクニックや、定番アイテムのコーディネート例なども。すぐに実践できることばかりなので、ファッションに関心がないという人こそ、本書を手にとってみるべきかもしれません。

(印南敦史)

メディアジーン lifehacker
2016年11月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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