『やり抜く力』 アンジェラ・ダックワース著

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やり抜く力

『やり抜く力』

著者
アンジェラ・ダックワース [著]/神崎 朗子 [訳]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784478064801
発売日
2016/09/09
価格
1,728円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『やり抜く力』 アンジェラ・ダックワース著

[レビュアー] 柳川範之(経済学者・東京大学教授)

 生まれながらの才能よりも、やり抜く力のほうがずっと重要だと著者は主張する。多くの人は才能を重視し過ぎだと。しかし、単に「努力は才能に勝る」と唱える書だと捉えると、本書の魅力を見逃してしまうことになるだろう。

 やみくもに努力すればよいというわけではないのだ。たとえば、今日必死にやるより、明日またトライする。つまり、継続性・持久力のほうが大事だと強調される。さらにいえば、挫折した後の「継続」が極めて重要で、やり抜く力は諦めない力だとわかる。

 とはいえ、すべてを諦めないでいればどこかで破たんをきたす。必要なことは、自分の目標を整理して、大きな目標達成の「手段」に過ぎない目標は、あまりこだわらずに諦めて、目標を柔軟に変更することだ。この思考の整理法に、本書の大きなポイントがあるように思う。

 そのほかにも、何かの役に立ちたい気持ちプラス興味が大きな力を生む、悲観的な考え方をやめる等、やり抜く力を引き出すための思考法や、どうやって身に着ければよいのかが具体的に書かれている。神崎朗子訳。

 ダイヤモンド社 1600円

読売新聞
2016年10月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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