基本的に今日入ってきた仕事は「明日やる」。仕事を効率化する「マニャーナの法則」とは?

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基本的に今日入ってきた仕事は「明日やる」。仕事を効率化する「マニャーナの法則」とは?

[レビュアー] 印南敦史

仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則 完全版』(マーク・フォースター著、青木高夫訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、2007年に刊行され、大きな反響をよんだ『マニャーナの法則』を増補・改定したもの。原著者のタイム・マネジメントに関する考え方を加筆し、その全容が理解できるように仕立ててあるのだそうです。

「マニャーナ(mañana)」とはスペイン語で「明日」という意味、「明日やる」を基本にすることで、仕事を完全に終わらせる画期的な方法です。(147ページ「究極の仕事術『マニャーナの法則』」より)

重要なのは2つの原則で、これこそが「マニャーナの法則」なのだとか。

原則1 新しく発生した仕事は「明日やる」を基本にする
原則2 クローズ・リストを使う
(148ページより)

ちなみにTo Doリストのような「オープン・リスト」に対し、能力や状況を把握して仕事を進める方法がクローズ・リスト方式。それは仕事に制限を設けて効率を上げる方法であり、使い勝手においてもオープン・リストを上回るのだといいます。たとえばその典型が、仕事の範囲に制限を設けている「チェック・リスト」。

こうした基本を踏まえたうえで、「マニャーナの法則」についてさらに検証してみましょう。

「マニャーナの法則」とは?

「マニャーナの法則」の根底にあるのは、「明日まで待てないほど、緊急な仕事はない」という考え方。ポジティブに表現すれば、「1日に発生する仕事を集めて、必ず次の日にやる」といいかえることが可能。いってみれば、常に仕事に1日分の「バッファー・ゾーン(緩衝地帯)」を設けるという発想です。そしてそれは、次のような3ステップになるといいます。

ステップ1 きょう、新たに発生した仕事を集めておく
ステップ2 仕事を類別する
ステップ3 類別した方針にしたがって、翌日まとめて処理する
(148ページより)

こうしてメールや電話のメッセージ、書類を翌日に集中して処理するということ。また同時に、すぐ処理できない手間のかかるタスクは細分化して管理するのだそうです。(148ページより)

具体的な方法を見てみましょう。

メールの処理

メールに手を焼いている人が多い割に、「システムを使って処理しようという声はあまり聞かない」と著者。誰もが場当たり的な処理をしているということですが、「マニャーナの法則」に従えば、メールは着信日の翌日にまとめて処理することになるのだといいます。狙いは一定量の仕事をまとめて処理すること。

1日分のメールを集める作業は、昨日のメールだけを別のフォルダに入れれば完了。そのフォルダがそのまま、処理するべきメールのリストになるわけです。そして処理できたものから消去すれば、進捗状況も一目瞭然。集中して処理すれば、残りのメールが減っていくのがわかるので、モチベーションも高まることに。その結果、処理時間もさらに短くなるということです。(149ページより)

電話のメッセージの処理

メールと同じく、電話も翌日に処理。根底にあるのは、「電話をもらったから、必ず緊急ということではないはず」だという考え方。すべての電話に反射的に反応せず、内容次第で「今日中に」か「明日やる」かを判断すべきだというのです。そしてもちろん、基本は「明日やる」。先にそれだけを伝えておけば、相手も心配することはないといいます。ただし、メッセージの内容を書きとめておくことはもちろん大事。(150ページより)

書類の整理

書類に関しては、その処理法と、ファイリングの仕方という2つの問題があるそうです。まずは処理法について考えてみましょう。

書類はメールと違い、整理をしにくいのが難点。
・郵便受けに入っている
・会議から書類を持ち帰る
・添付ファイルを印刷する
・メモを残す
・請求書が届く
・他部門から書類が来る
・メールする前に文章を印刷する

こうしたことにより、オフィスはあっという間に書類だらけになってしまうわけです。だからこそ大切な「書類整理の第一歩」は、新規の書類を置く場所を一カ所に絞ること。そのため、「新規の書類入れ」であり、「翌日の処理待ちの書類」だけを入れてよい「トレイA」を用意することを著者は勧めています。

トレイAに入れた書類は、当日1日は積み上がるままに任せておくことが鉄則。メールを同じく1日分を集め、次の日にまとめて処理するのです。会議から書類を持ち帰ったら、ブリーフ・ケースに入った書類をトレイAヘ。メモも、他の部署から来た書類も、ファイルのプリントも、請求書も、FAXも同様。つまり、その日に出た書類はすべてトレイAに入れるだけだということ。

そして1日分の書類は、その日の終わり(または翌朝)に、トレイAから別のトレイBに移動。こうすれば、トレイBは翌日1日の仕事のクローズ・リストになるわけです。きょう新たに届いた書類は、トレイAに入れるだけなのですから、トレイBのクローズ・リストの処理中に、新しい仕事に振り回されることもなくなります。

ただし、メールや留守番電話と同軸、「きょう中に」処理が必要な緊急の書類がないかのチェックだけは忘れずに。「明日やる」を原則にして、すばやくチェックすることが大切なのです。(151ページより)

二等分法──すべての仕事を半分にする

手間のかかるタスクは、まず分解して「第一段階」をつかむことが大切だと著者はいいます。どのプロジェクトでも、「いま、なにをすればよいか」の答えが第一段階。当然ながら、それがタスクになるということです。

第一段階を見つける方法として、ここで著者が紹介しているのが「二等分法」という応用のきくテクニック。すべての仕事を”これ以上分けられないというところまで分割し続ける”という作業をしたうえで仕事に取りかかる方法です。

たとえば、ネットワーク・マーケティングの仕事をはじめようと決断したとします。そして早速、サプリメントの分野に優れた企業との契約に成功しました。このとき、ビジネスを成長させるには、まず、しっかりした方針を立てることが必要。ところが仕事が膨大で、圧倒されそうに感じることに…。そんなときが、二等分法の出番。

最初にすべきは、仕事の半分を含むカテゴリーを考えること。全体をバランスよく二分できる分類法を探すということです(ぴったり半分でなくともOK)。そして、この段階で「ビジネス知識の習得」を考えたとします。

その場合、次にすべきは「ビジネス知識の取得」をさらに半分に分けること。その方法を探し、たとえばそれが「製品知識の習得」だと思えたのであれば、それが次のタイトルになるのです。「製品知識の習得」の半分が「製品カタログを読む」ことであったとしたら、それが次のタイトル。この辺りから行動を開始すべきで、まずは「製品カタログを読む」ことに取り組めばいいわけです。

二等分法では、新しいタイトルが、前のタイトルの半分の仕事を表すことになります。この各タイトルが、あなたのすべき行動のチェック・リストになっているのがポイントです。(158ページより)

仕事が順調に進んで「製品カタログを読む」が終わったら、そのタイトルを消去。二等分法では、リストの最後尾が常に第一段階で、この例では次に「製品知識の習得」に取りかかることになるわけです。ここで「製品知識の習得」に関連して、他にやることがないかを考え、たとえば「実際に製品を使って知識を得よう」と考えたら、「製品の発注」をリストの最後尾に加筆。発注が済んだら、同じようにタイトルを消すということです。

二等分法では、抵抗感が問題にならない状態になるまで分割を続けるのが理想的な方法だとか。こうして小さく分割したうえで、常に第一段階に集中すれば、結局はプロジェクト全体の仕事も集中して実行できるようになると著者は解説しています。(157ページより)

このように、「マニャーナの法則」は決して難しいものではなく、それどころか合理的。本書を参考にして取り入れてみれば、日常のタスクを効率よく進められるようになるかもしれません。

(印南敦史)

メディアジーン lifehacker
2016年11月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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