『ありがちな女じゃない』 レナ・ダナム著

レビュー

1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ありがちな女じゃない

『ありがちな女じゃない』

著者
レナ・ダナム [著]/山崎 まどか [訳]
出版社
河出書房新社
ジャンル
文学/外国文学、その他
ISBN
9784309207193
発売日
2016/10/21
価格
1,944円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『ありがちな女じゃない』 レナ・ダナム著

[レビュアー] 青山七恵(作家)

 著者のレナ・ダナムはニューヨーク生まれの女優/監督/脚本家。現代のアメリカ都市部に生きる二十代をリアルに描いたテレビドラマ「Girls/ガールズ」で成功を収め、二十八歳のときに出版されたこのエッセイは発売するやいなや本国ではベストセラーになったそうだ。

 著名なアーティストの両親の元に生まれ、都会の自由で恵まれた環境で育ち、二十代半ばでクリエイターとして成功を収めたレナ。経歴だけ見れば華やかな人生を送っているように思えるけれど、実情はなかなか泥臭い。ミジメに終わった恋愛、容赦ない仕事のプレッシャー、続かないダイエット……どれほど気まずく格好悪い瞬間も、彼女は読んでいるこちらが心配になるくらい赤裸々に語る。そのパワフルな迷走っぷりにちょっぴり面食らいつつも、人生の過ぎ去った時を嘆き愛(いと)おしむ彼女の声は、切ないほどに心に響く。「ありがちな女じゃない」という一見とんがった主張の裏で、「実は私もあなたとおんなじなんだよ」とレナ本人に優しく肩を抱かれているようで、読後は俄然(がぜん)、元気が出てきた。山崎まどか訳。(河出書房新社、1800円)

読売新聞
2016年11月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加