「考え方」を変えれば、人生が変わる。成功を掴むために意識しておくべきこと

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「考え方」を変えれば、人生が変わる。成功を掴むために意識しておくべきこと

[レビュアー] 印南敦史

成功への選択』(青木仁志著、あさ出版)の著者は、長年にわたり能力開発のスペシャリストとして活動してきたという人物。これまでに34万人以上の研修に携わってきたのだそうです。そして、その過程で人の「成功と失敗の習慣」について研究した結果、「考え方が変われば人生が変わる」という結論に達したのだとか。

また、人生においては、「考え方」がいちばん大切だとも主張しています。重要なのは「考え方を選択する」ことであり、そして「考え方は選べるのだ」という発想。まず重視すべきはその点で、さらにもうひとつが「行動」。自分自身の行動が、目標達成に役立つものであるのか、それとも外れたものなのか。そのどちらかを選択できるのだということです。

物事は非常にシンプルなのだ。
今の自分の行動が目的・目標達成に役立っているかどうかを、常に自分に問いかける。そして、もし役立っていないとしたら、目的・目標達成に役立つものにリセットする。これをできるかどうかが、成功と失敗の分岐点である。(「はじめに」より)

著者自身が、これまでずっとリセットを繰り返し、最善を尽くしてきたのだといいます。こうした考えを意識にとどめ、きょうは第3章「仕事で自分を磨く」に焦点を当ててみましょう。

自分の「目的」を見出す

「なんのために生きるのか」という目的は人それぞれ。ただし、高級車を買うとか、予算を達成するとか、あるいはナンバー1になるというようなことは、目標であって目的ではないと著者は断言しています。現実的に多くの人たちがそこを勘違いして、目標にばかり向かって生きてしまうというのです。

ところが目先の目標に必死になってしまうと、人生の大きな目的を見失ってしまうもの。そもそも目標とは、目的を実現するためにあるものであるはずです。だからこそ、自分の目的はなんなのか、自分はなんのために生きているのかを、しっかり確認する必要があるのだということです。

では、人はなんのために生きるのでしょうか? それこそ人によって違うでしょうが、著者は突き詰めていえば「幸せになるため」だと考えているのだといいます。なお、幸せについて考えるにあたり、著者が引き合いに出しているのは、アメリカの精神科医であるウィリアム・グラッサーの『選択理論』。そこで提示されている「生存」「愛と所属」「力」「自由」「楽しみ」の5つの欲求を満たしている状態こそが幸せであるということ。

この5つの領域で欲求が満たされれば、快適感情を感じるため、幸せになれるというのです。そこで、この5つを満たすことを目的として、それを実行できるような目標に落とし込んでいけばいいという発想です。

日々の生活に流されていると、近視眼的な目標ばかりに目が行ってしまい、目的まで行き着けないまま人生を終えてしまうことにもなりがち。だからこそ、「目的のために目標の達成があり、その目標に対して具体的なプランニングを行い、日々の実践によってそれを完遂していく」という順序を間違えてはいけないといいます。(111ページより)

働くことは、人によって自分が磨かれること

著者にとって働くということは、自己実現のための唯一の切符だったのだそうです。与えられた場所で精一杯働くことが、生きること、そして自己実現していくためのただひとつの手段だったということ。

さらに働くことは、学びの場でもあったといいます。複雑な家庭環境で育ち、学校も出ていなかったため、仕事以外に学べる場がなく、仕事によって磨かれたというのです。そして自分のことをかわいがってくれた当時の社長をはじめ、いい先輩や上司から多くのことを学んだそうです。

ビジネスの世界では、結果が問われる。結果が出ないと、つい人のせいにしたくなる。会社のせいにしたり、上司のせいにしたり、商品のせいにしたり。
しかし誰かのせいにして成功している人間は、一人もいなかった。そういうことも学んだ。(121ページより)

当然ながら、働く場がすべて理想の職場とは限らないでしょう。それどころか、逆の職場も少なくないかもしれません。しかし逆なら逆で、それも学びの場なのだと著者は主張するのです。大事なのは、反面教師になる人、反面教師になる組織からも学ばせていただくという姿勢だということ。

人は人によって磨かれるもの。働くということは、人によって磨かれること。その気になれば、どんな仕事、どんな職場、どんな人からでも学ぶことが可能。しかし、もしその気にならなければ、どこへ行っても、誰からも学べません。著者は仕事を通して貪欲に学美、自分を磨いてきたからこそ、そう断言できるのだといいます。(119ページより)

人に尽くすことで、人は高みに上がれる

人は、その人の志の高さに応じた人としか出会うことができないと著者。志の低い人が無理をして徳の高い人に出会うチャンスをもらったとしても、関係は長続きしないというのです。

人は自分がたどり着いた高さの位置から見る景色しか、見ることができないのである。
だから素敵な人と出会いたいのであれば、自分を高めなければならない。(134ページより)

とはいっても、若いうちは経験も徳も足りない状態。「高み」といったところで、たかが知れているわけです。では、どうしたらいいのでしょうか? この問いについて著者は、「誠心誠意、真心を尽くすこと」だと答えています。

たとえ人間的にはまだまだであったとしても、がんばることはできるもの。足りない分は自分の時間と真心を使い、相手のために精一杯尽くす。そうすれば、少しずつ人に引き上げてもらえるようになるという考え方です。

人に尽くすことで人に助けてもらい、引き上げてもらって、少しでも高い位置に行ければ、それまで見えなかったものが見えるようになるといいます。そして、出会えなかった人とも出会えるようになるわけです。

実際、著者も上京した当初は、自分の資源になるものがなにもなく、マイナスからのスタートだったのだそうです。そこで、どんなことでも全力を尽くしてやろうとしたのだとか。そうやって、自分のいるステージで一生懸命にがんばっていると、必ず人の縁や引き合いが生まれ、自分を引き上げてもらえるというのです。

そしてポイントは、やはり「誠心誠意尽くすこと」。そして、どんなに小さなことであっても、自分にチャンスを与えてくれた人の恩は決して忘れないこと。そして、もちろん、出し惜しみはダメで、ケチもいけない。なぜなら物事は、与えてから与えられるものだからだそうです。

自分と関わりをもった人たちのためであれば、大きなビジネスの契約を放り出しても、相手のために駆けつける。
してもらった恩は一生忘れず、その人のためならどんなことでもする。
決して裏切らない。
そして今自分がやるべきことに、100%の力を注いで思い切りつくす。
そうすれば、自分が未熟であっても、徳の高い素敵な人たちから、手をさしのべてもらえるだろう。少しずつ高みに上って行くことができるのである。(137ページより)

こうした思いを持ち続けているからこそ、現在の著者の成功があるということなのでしょう。(134ページより)

著者は17歳で社会に出て、国際教育企業のブリタニカ、国内人財開発コンサルティング企業を経て32歳で独立したという実績の持ち主。本書で明らかにされているそのプロセスにも、十分な読み応えがあります。また、決して平坦だったとはいえないキャリアに基づいているからこそ、本書で展開されている力強い主張にも説得力があるのかもしれません。

(印南敦史)

メディアジーン lifehacker
2016年11月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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