話をまとめる必要はない! 雑談が苦手な人の4つのタイプ

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雑談の戦略

『雑談の戦略』

著者
谷原 誠 [著]
出版社
大和書房
ISBN
9784479795438
価格
1,512円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

話をまとめる必要はない! 雑談が苦手な人の4つのタイプ

[レビュアー] 印南敦史

ビジネスの現場において、雑談は決して避けることのできないもの。それは、弁護士として活動する『雑談の戦略』(谷原誠著、大和書房)の著者も同じであるようです。つまり相談者が事務所にきたときは、緊張をほぐすために雑談が不可欠だというのです。

そして事務所内においても、雑談でよい人間関係をつくっていかなければ、スムーズに仕事を進めることは不可能。それどころか仕事を離れても、雑談ができない人と一緒にいるのはつらいものです。ただし、だからといって雑談が大好きになったり、得意になったりする必要はないといいます。

要は必要なときに、必要なだけ雑談ができればいいのです。雑談が苦手な人は、苦手なままで結構、戦略的に雑談を使えばいいだけの話です。(「まえがき なぜ、ビジネスには『雑談』が欠かせないのか?」より))

とはいえ実際のところ、雑談が苦手な人にもいろんなタイプがあるはず。そこで第2章「あなたはどのタイプ? 雑談が苦手な4タイプ」を確認し、自分がどのタイプなのかを把握してみましょう。

1. 自意識過剰タイプ

雑談は手紙やメールとは違うので、相手の言葉に応えたり、こちらから話を切り出したり、その場の一瞬の判断で話題を展開していくことが必要。自分の話し出すタイミングを逃すと、うまく会話が流れず、沈黙が訪れてしまうわけです。著者によれば、雑談に苦手意識を持つ人のなかには、こういうタイプの人が多いのだとか。

話している途中で、ある言葉や話題をふと思いついたり、エピソードを思い出したりするものの、口に出す前に「これをいったら相手にどう思われるか」ということを過度に意識してしまい、口をつぐんでしまうような人。

だから、話す前に「こんなことをいうと嫌われるのではないか」などといった心配をしてしまう。そのため、せっかく思いついた言葉もタイミングよく口に出すことができず、沈黙を続けるまま、結局はほとんどなにも話せずに終わってしまうというのです。しかし、こういう人について、著者は重要なことを指摘しています。

ちょっと考えてみましょう。雑談の話し相手は、そんなにあなたの話を注意深く聞いているでしょうか。じつは、それほど話の内容を聞いていないし、雑談の内容をそれほど覚えてもいないことが多いのではないでしょうか。(49ページより)

たしかに話している最中で、相手の言葉に軽い違和感や、よくない印象を抱くことはあるもの。しかしそれは一瞬のことであり、よほどおかしなことをいわない限り、雑談が終わってしばらく経てば、悪感情は消えてしまうものだというのです。

だからこそ、雑談の内容で「相手がどう思うか」を心配してしまう人は、まず自分が単なる自意識過剰ではないかと疑ってみるべきだといいます。話の内容についての遠慮や心配は、ほとんどが取り越し苦労。雑談が成功するか否かは、ほぼ話し方次第だということです。(48ページより)

2. 話題が見つからないタイプ

「メラビアンの法則」は、有名な心理学上の概念。人と人がコミュニケーションをするときに受け取っている情報のうち、どの要素が相手に影響を与えるかという研究結果で、その要素とは「言語(話の内容)」「口調や話す速さなどの聴覚情報」「見た目などの視覚情報」の3つだといいます。

メラビアンによると、相手に与える影響の全体を100%とすると、言語による情報は約7%と非常に低く、口調や話す速さなどの聴覚情報が約38%、見た目などの資格情報が約55%だったそうです。(51ページより)

つまり、コミュニケーションの9割以上は言語の内容以外の情報で占められているということ。「雑談が苦手だ」という人のなかには、よい話題を見つけられず、沈黙してしまう人も少なくないはず。しかしメラビアンの法則によれば、会話のような、表面的には言葉によるコミュニケーションに見えるものであっても、じつは言語情報の影響はとても低いのです。

だとすれば「話題が見つからないから雑談が苦手」という人は、雑談に対する認識を改めるべきだと著者はいいます。もしかしたら、話題が見つからないことよりも、「話題が見つからないかもしれない」という心配や緊張が顔に出て、相手に情報として伝わっていることが、上手くいかない理由かもしれないから。

むしろ雑談の成否を分けるのは、「楽しい雰囲気だった」「相手が笑っていた」など、言語以外から得られるプラスの感覚。つまり雑談を成功させるに大切なのは、まず見た目に注意すること。清潔にしているか、服装はおかしくないかということなども影響するという考え方です。

そして、もうひとつ重要なのは態度や表情。笑顔を絶やさず、相手の話に身を乗り出し、身振り手振りを加えて楽しい雰囲気を表すと印象に残るというのです。加えて、口調や話す速さも研究してみるといいとか。それだけで、雑談時に相手に与える印象の約93%が決まるというわけです。(51ページより)

3. 意味のないことを話したくないタイプ

雑談が苦手な人のなかには「意味がないことを人に話すのが好きではない」という性格の人がいて、著者もそのタイプなのだとか。職業柄、裁判の陳述のように、結論に向けて論理を構築して話す癖がついてしまっているというのです。だから、「仕事の相手と意味のないことを話したくない」と考えてしまう気持ちはわかるのだそうです。

ところが、そのような考え方をしている限り、「雑談のときになにを話したらいいのかわからない」という悩みは絶対に解消しないとも断言しています。そもそも定義上、雑談は意味がないもの。逆にいえば雑談は、意味のないところに意味があるということです。

仕事仲間でも、雑談を一切せず事務的に進めていると、言葉の真意を測りかね、誤解を招いて失敗したりすることもあります。
雑談には、初対面の人との距離を縮めたり、円滑に仕事ができる人間関係を築いたり、相手の人間性を知ったりといった効能があるのです。(57ページより)

そう考えれば、雑談とどのように関わっていくべきかも見えてくるはず。論理的整合性や相手にとってのメリットなどを考える必要はなく、意味のないことを話すことこそが大切だということです。(55ページより)

4. 話がまとまらないタイプ

「雑談が苦手」だという人のなかには、話がまとまらないタイプ、話しているうちに自分がなにを話しているのかわからなくなるタイプがいるといいます。それを自覚することが苦手意識につながり、気おくれしてしまうというのです。

そういう人は、話すのならプレゼンテーションのように、最初からじっくり考えた内容のものを話したいと考えているもの。「しかし雑談は、そういう準備ができないから苦手だ」と考えるからうまくいかないのだそうです。弁護士にも意外に多いというそのようなタイプに対し、著者は次のようなメッセージを送っています。

雑談で話がまとまらない、という人に贈るアドバイスは一つだけです。
「まとめなくてよい」
雑談は、そもそも意味がないのです。論理的である必要もまったくありません。必要なのは「相手と仲良くなりたい!」という気持ちです。(60ページより)

「すごいですね」「それ、すごくわかります」など、仮に雑談の言葉を文字に起こしたりすると、感覚的で、ほとんど意味のない言葉ばかりになるはず。しかし、そういった言葉だけで十分に会話は成立するわけです。

もちろん、発した言葉の前後に矛盾があっても大丈夫。なぜなら、相手はそれほど矛盾を気にしていないから。さらにいえば、話しはじめるときに結論がはっきりしていなかったとしてもOKだといいます。それでも話しているうち、内容がグチャグチャになることが気になる場合は、冒頭に「頭が整理できていないのですが」「論理的ではないんですが」という枕詞を入れてしまうのも効果的。

慣れないうちは不安もあるでしょうが、一度そのような話し方でうまく話が展開すると、「なんだ、これでよかったのか」と、開放感のようなものを得られると著者は記しています。(59ページより)

自分のタイプがわかれば、きっと対処法が見えてくるはず。そこを意識しながら本書を読み進めれば、自分自身にとって適切な「雑談力のつけ方」を見つけ出すことができるかもしれません。

(印南敦史)

メディアジーン lifehacker
2016年11月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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