【見逃していませんか?この本】横浜DeNAベイスターズはいかにして変わったか/池田純『空気のつくり方』

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

空気のつくり方

『空気のつくり方』

著者
池田 純 [著]
出版社
幻冬舎
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784344029842
発売日
2016/08/29
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【見逃していませんか?この本】横浜DeNAベイスターズはいかにして変わったか/池田純『空気のつくり方』

[レビュアー] 労働新聞社

 「TBSから親会社がDeNAに代わり、ベイスターズは変わったなぁ!」と、他球団ファンから見ても強く感じる。2016年シーズン、3位に滑り込んで、クライマックスシリーズに進出した実績もさることながら、球場が大きく変わったように思う。年に何度も、敵方ファンとして横浜スタジアムに足を運ぶが、その都度、応援の声量が増し、試合を彩る演出が華やかになっていった。

 では具体的に、どういう手法でそのような変化を起こしていったのか。それを具体的に書いたのが本書だ。2011年から4年間で観客動員を65%アップし、赤字を80%減らし、ついに黒字化に成功したノウハウを、惜しげもなく披露する。

 繰り返し出てくるのは、徹底的にデータを分析するシーンだ。「経営」の観点からスポーツをどう盛り上げていくのかという、これまで決して多く語られなかった視点からの話は面白く、また示唆に富む。そして、分析したデータを元にして、どうやって集客などにつなげていくかというプロセスは、サラリーマンが日常的に仕事をしていくシーンでも役立つはずだ。

いけだ・じゅん、幻冬舎・1512円/1976年、神奈川県横浜市出身。住友商事、博報堂を経て2007年にDeNA入社。2011年12月から横浜DeNAベイスターズ初代社長に就任し、2016年10月に退任。

労働新聞
2017年1月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク