[キノベス!2017 第4位]夜行

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夜行

『夜行』

著者
森見 登美彦 [著]
出版社
小学館
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784093864565
発売日
2016/10/25
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

夜行

[レビュアー] 浅野加奈子(紀伊國屋書店・札幌本店)/松本優子(紀伊國屋書店・佐賀店)

【浅野加奈子・札幌本店】
 森見さんの小説は、いつもお酒みたいだと思う。読んでいるうちに、いつの間にか、頭の中がふわふわとしてくるからだ。今までの森見作品は、独特の美しく心地よい言葉づかいで酔わせるというものだったが、今回は読み手の予想をゆらゆらとかわしていく物語の展開に、見事に酔わされた。最後まで読んで、すぐに冒頭から読み直して、そういえばあれはなんだっけ、とページをぐるぐると辿ってしまう。こんな読み方してしまう小説、なかなかない。ぐるぐるぐるぐる……。ああ、気持ちいいなあ。

【松本優子・佐賀店】
 “あの夜”に囚われているのは貴女か私か。滴る夜に魅了される。百物語形式で語られる話は、各話曖昧な締め方が怖すぎて、目の前で話しているこの人は本当に友人なのかとぞわぞわする。鮮やかで果てしなく広がる夜の描写と艶やかな語り口。間違いなく登美彦氏の新たな傑作誕生です。

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紀伊國屋書店
2017年2月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

紀伊國屋書店

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