ショートショートといえば星新一。そんな時代に評者は育った。1編あたり数ページ。それぞれに異彩を放ち、起承転結のある短編がぎゅっと詰まった本の数々に夢中になった。そして、あの赤川次郎がショートショートを出した。
初出は同氏のファンクラブ会誌というから、お初の読者が大半だろう。本書は、同会員から募集したタイトルを基に著者が書き下ろした27編で構成されている。
例えば、「謎のパーティー」は勘違い男の悲哀を描く。全編、クスッとさせられたり、ほろ苦い思いになったり。千変万化の赤川ワールドが展開する。(光文社・1300円+税)
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2017年2月19日 掲載
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