『暗黒の巨人軍論』
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『暗黒の巨人軍論』野村克也著
[レビュアー] 産経新聞社
「またノムさんの巨人批判か」と思う向きもおられるかもしれない。結論からいうと、違う。
全5章のうち大雑把(おおざっぱ)に、批判・論評は計3章、あとの2章は「V9時代の巨人に学べ」「松井秀喜監督、野村克也ヘッドコーチなら最強」といった助言を列挙している。確かにここ数年の巨人は本業で精彩を欠く場面が目立ち、選手の不祥事も相次ぎ、「落胆を禁じ得ない」と著者はいう。
そうした原因を得意のデータなどを活かして分析。独自の「巨人軍再生論」を展開するのだ。巻末にこうある。「強くなくてもいい。プロの野球を見せてくれ!」(角川新書・800円+税)