-
- 決定版 - 武揚伝(上)
- 価格:2,530円(税込)
幕末から明治にかけて活躍した政治家、榎本武揚を描いた直木賞作家・佐々木譲氏の『武揚伝』が、初刊から14年を経て再刊された。
榎本武揚は幕末期の幕臣。長崎海軍伝習所で学び、幕府の軍艦・開陽丸発注に伴いオランダに留学した。帰国後は、戊辰戦争で抗戦を主張、旧幕府艦隊を率いて蝦夷地に脱出し、「蝦夷共和国」の総裁となる。箱館戦争(五稜郭の戦い)で新政府軍に敗れて投降するが、のちに明治政府のもとで外交官、技術官僚として活躍した。
同書は、箱館戦争に敗れるまでの前半生を描く。平成13年に上下2巻で刊行され、翌年の新田次郎文学賞を受賞。15年には文庫化された。当時は「二君にまみえた変節漢」という武揚像がまだ根強く、事実上の政権として諸外国から認められたとされる「蝦夷共和国」もまぼろしだとする説が主流だった。そんななか佐々木氏は、「共和国樹立」というかたちで日本の近代化の理想を示した人物として、維新のうねりとともに魅力的な武揚像を打ち立てた。
武揚は回想録などを残しておらず、前半生の事績に不明な点が多かったが、今回、新史料や新しい研究成果を踏まえて大幅に加筆修正した。蝦夷共和国の実在がほぼ常識となり、「決定版」も前作と大筋は同じだが、土方歳三との出会いの場面、昌平黌(しょうへいこう)時代の親友のその後、兄・勇之助もそろって五稜郭に行っていた事実などを盛り込んだ。
北海道在住の佐々木氏は、『警官の血』などの警察小説で知られるが、本書を含む北海道3部作、蝦夷3部作と称される歴史小説群も発表している。「文庫の改版はよくあるが、単行本で再刊するのは珍しい。作家の思い入れが強く、決定版として全3巻で刊行することになった。まさにライフワークといえる作品」(中央公論新社の担当者・林里香さん)。中央公論新社刊、各2300円+税。
産経新聞社「産経新聞」のご案内
産経ニュースは産経デジタルが運営する産経新聞のニュースサイトです。事件、政治、経済、国際、スポーツ、エンタメなどの最新ニュースをお届けします。
関連ニュース
-
竹宮惠子「カウンターの50年」 『竹宮惠子カレイドスコープ』刊行記念
[イベント/関東](コミック/コミック・アニメ研究/評論・文学研究)
2016/08/25 -
辻村深月×瀧井朝世「新潮読書クラブ〈第9回 江戸川乱歩『江戸川乱歩傑作選』〉」
[イベント/関東](ミステリー・サスペンス・ハードボイルド)
2016/10/04 -
女優の中江有里「格差を是正するのは思いやりに満ちた社会にするため」親しみやすい格差論を紹介
[ニュース/テレビ・ラジオで取り上げられた本](日本の小説・詩集/哲学・思想/社会学/エッセー・随筆)
2016/09/16 -
【手帖】作家が語る創作の秘密
[ニュース](評論・文学研究)
2016/02/23 -
立川志らく「立川談志はマフィアのドン、立川一門の裏切り者は……」林修先生が切り込む
[ニュース/テレビ・ラジオで取り上げられた本](海外の小説・詩集)
2016/02/16



























