【写真集】『ゲンバ男子』Bplatz編 町工場で輝く男前
[レビュアー] 黒沢綾子
佳境を迎えている人気TVドラマ「下町ロケット」に後押しされ、製造業へのリスペクトが高まっている。一つの部品が人命を救うこともある。そんな真剣勝負の現場で働く“ゲンバ男子”の魅力を閉じ込めた一冊。大阪の町工場で働く男前40人を紹介している。
取材編集を手掛けたのは大阪市の中小企業支援拠点、大阪産業創造館が発行する月刊誌「Bplatz」編集部。編集長の山野千枝さんは日頃、「若手をなかなか採用できない」と嘆く社長さんらの声を聞いていた。
「真面目に訴えても、肝心の若い世代には届かない」。そう考えた山野さんらの“妙案”が、ゲンバ男子にスポットを当てる特設サイトと写真集の刊行だった。
「やはり若い男性にとって、異性の目は大切。女子目線で日本の産業を支える男性はカッコいいと熱く話題にすることで、結果的に若い男性にも情報が届いたら」
美しく盛り上がった「肩」、筋張った「腕」、コンマ数ミリの誤差も許されない緻密な作業を担う「手」…。ゲンバ男子、やっぱええやん。(幻冬舎・1400円+税)黒沢綾子