【手帖】作家が語る創作の秘密

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 米の文芸誌『パリ・レヴュー』に掲載された作家へのロングインタビューが、翻訳家の青山南さんの編訳で、岩波書店から2つの巻に分けて刊行された。

 I巻『作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう!』(3200円+税)で紹介するのは米のトルーマン・カポーティや英のイアン・マキューアンら。II巻『作家はどうやって小説を書くのか、たっぷり聞いてみよう!』(同)には米のアーネスト・ヘミングウェイやジョン・アーヴィングら。物故作家から現役の書き手まで各巻それぞれ11人へのインタビューを収める。

 コロンビア出身のノーベル賞作家、ガルシア・マルケス(II巻)は〈自分の身に起きたことを書け〉と若い書き手にアドバイス。その上で、〈現実に根ざしていない事柄はただの一行もわたしの作品にはない〉と話し、現実に幻想が入り交じる「魔術的リアリズムの旗手」としては少し意外にも映る創作手法を明かす。


 仕事場でくつろぎながら対話に応じる作家たちの言葉は、場所や時代を選ばない普遍性をもつ。訳者解説によれば、このインタビューは、聞き手がいったんまとめた原稿を作家がチェックするのが習わしで、大幅に加筆修正される例もあった。いわばインタビュアーと作家の共同作業で練り上げられた小説技術をめぐる〈対話のかたちをとったエッセイ〉。それゆえの密度の濃さが大きな魅力となっている。

産経新聞
2016年2月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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