ドボクを見に行く旅「インフラツーリズム」が注目を集める

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 NHK総合「ひるまえほっと」3月15日放送回で土木構造物の新しい楽しみ方や魅力を紹介した『ヨーロッパのドボクを見に行こう』八馬智[著](自由国民社)が紹介された。

 同書はダム、工場、橋などこれまで観光の対象ではなかったヨーロッパの土木構造物や産業施設を紹介する一冊。これらを鑑賞物として楽しもうというガイドブックでもある。

 番組に出演した著者の八馬さんは千葉工業大学の準教授。以前から土木構造物が鑑賞の対象になりうると考えていたという。以前一年間オランダに留学をしており、その頃ヨーロッパの土木構造物を見て回ったと語った。そこで発見した興味深い構造物をブログにアップロードしていたら皆に面白がってもらえた、と本書を著すきっかけを語った。また土木構造物は地域の都合に合わせてつくられるため、地域性があらわているという見方をすると面白い、と楽しみ方を披露した。

 同書では各地の土木構造物を紹介するだけではなく、それらを見て回るためのモデルコースも掲載されており、ガイドブックとして活用できるようになっている。八馬さんおすすめはベルギーとオランダをめぐるコース。「『世界は神がつくったが、オランダはオランダ人がつくった』との言葉がありますが、人間が技術でもって自然をどう克服してきたかがよく感じられるのではないかと思う」と語った。従来の観光とは違うこうした「インフラツーリズム」がこれからは増えてくると八馬さんは考えている。「地域を理解するときに、歴史の文脈だけでなく、地形や地理的な要因で理解してゆくのが面白いのではないか」と新しいかたちの観光を勧めた。

「ひるまえほっと」はNHK総合で月曜から金曜11:05からの放送。「ブックレビュー」コーナーは月に一度放送される。

Book Bang編集部
2016年3月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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