中瀬ゆかり 乙武氏妻の謝罪に「“火消し”をよく研究している、でも奥さんが謝る必要はなかった」

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 TOKYO MXの情報番組「5時に夢中!」の人気コーナー「中瀬親方のエンタメ番付 3月場所」が3月24日に放送された。同コーナーはエンタメ全般に造詣の深い、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんが毎月感銘を受けたエンタメベスト3を発表するコーナー。今回中瀬さんが紹介したのは以下の三作。

関脇(第3位) 単行本『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』福田ますみ[著](新潮社)

 同書は不登校の男子高校生の自殺をきっかけに、保護者から訴えられ、マスコミも加勢しての追及で崩壊寸前にまで追い込まれた高校が真実を求め反撃に転ずる様子を描いたノンフィクション。中瀬さんは「ノンフィクションだが、ホラーのようだった」と学校に襲いかかる悪夢のような出来事に恐れをなした。校長を殺人罪で告訴したモンスターマザーに人権派弁護士、県会議員、マスコミが加勢。その後反撃に出た教師たちは逆に母親を訴えるという前代未聞の展開を迎える。中瀬さんは「どの学校にも起こりうる悪夢を描ききったまさに戦慄のノンフィクション。マスコミの印象操作やモンスターマザーがどんな人だったのかなどが描かれており、是非読んでほしい」と同書を薦めた。

大関(第2位) 映画『レヴェナント 蘇えりし者』(アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督) 4月22日公開

 アカデミー賞でレオナルド・ディカプリオが主演男優賞を獲った話題の一作。同作は実話を基にしており、仲間から荒野に置き去りにされ息子を殺された男が、瀕死の状態から蘇り、復讐の鬼となる様子を描いた一作。極寒の荒野で、ぎりぎりの状態のなか熱演をみせたディカプリオに対し中瀬さんは「これでオスカーとれなかったらありえないだろという熱演。一世一代の芝居を見せてもらった」と絶賛した。

横綱(第1位) 単行本『幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII』岸見一郎[著]ダイヤモンド社

 ベストセラーとなった『嫌われる勇気』の続編。アドラー心理学について解説した前作が地図だとしたら今作はコンパス。「あらゆる悩みは人間関係である」とするアドラー心理学の実践編だ。ほんとうの「自立」とは「愛」とはなにか、「私」というものを切り離して「私たち」になるとはどういうことかを説いた同書に中瀬さんは「『私たち』という人を失った私が、ほんとうに感動して、もう一回『私たち』という主語で行きたいなという気持ちにさせられた。こんな良い本を他社で出されて本当に悔しい」と編集者でも嫉妬するほどよい本だと語った。

■沈静化について研究されていた乙武氏の謝罪

 またこの日発売の「週刊新潮」で5人の女性との不倫を認めた乙武洋匡氏(39)について「私はちょっと女好きなイメージを持っていたので、あんまりびっくりという感じはなかった」と抱いていたイメージを明かした。そして仁美夫人の謝罪にも触れ、「これまでの不倫で色々失ってきた人達の前例や、どうやって火消しをすればよいのか、研究の成果が奥さんといっしょに(謝罪をする)ってことだった。カールスモーキー石井や宮崎元代議士の件のように、奥さんがちゃんと許してるってことが大事だった」と沈静化について考えられたものだったと推測した。しかし「奥さんが謝る必要はなかったなっていう気がする」と述べ、ここまできたら「東京五倫(輪)とか五人大満足とか、そういう風に笑いに変えて乗り切って行くのがいい」とアドバイスした。

 「5時に夢中!」はTOKYO MXにて毎週月曜から金曜夕方5:00より放送中。木曜はメインMCにふかわりょう。アシスタントは内藤聡子。コメンテーターに岩井志麻子、中瀬ゆかり。

Book Bang編集部
2016年3月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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