女優の杏 マスメディアの報道について「飲み込むんじゃなくて噛んだ方がいい」と提案

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 女優の杏さん(30)とナビゲーターの大倉眞一郎さんが毎週1冊ずつ本を持ちより紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。5月1日の放送では二人は、フィクションとノンフィクションでありながら、どちらも日本社会の実像を浮き彫りにした一冊を持ち寄った。

■タクシードライバーの波乱万丈な人生

 杏さんは「密室の中に知らない他人がいる」とノンフィクション『東京タクシードライバー』山田清機[著](朝日新聞出版)を紹介した。同書は波乱万丈の人生を送ってきた13人のタクシードライバーにインタビューをした一冊。杏さんは「夢破れても人生だ。夢破れてから、人生だ。」と帯にあるのを秀逸だと評価し、なかに登場するドライバーたちを何名か紹介した。

 不倫関係にある女性客の人生相談にのり、「俺と付き合え」と申し込んだドライバーや映画にも出演した元俳優など、いずれのドライバーにもドラマがあり、情熱的な人が多かったという。

 そしてこの本のもうひとつの魅力が著者の山田さんの「長い長いあとがき」だと解説した。そこでは山田さん自身も色々な夢破れて、心も体も病んだと書かれている。本編と合わせて読むと色々な人が色々な思いを抱えて前を向いて生きていることが浮かび上がってくる、と同書の味わいを語った。

■現実なのか?フィクションなのか?

 パーソナリティーの大倉さんは「日本崩壊のはじまり」と小説『ガラパゴス』相場英雄[著](小学館)を紹介。この小説はあくまでフィクションだと語りながらも、「書かれている事は本当の事じゃないの?」と思えるほど現代日本が切り取られすぎちゃっていて、自主規制をかけてこの本を紹介するのをやめようかと思った、とこの本から受けた衝撃の大きさをあらわした。

 この小説はいわゆる警察小説。自殺と思われていた身元不明の遺体を探るうちに、刑事は社会問題となっている非正規労働の残酷な現実に向き合うこととなる。あくまでフィクションではあるものの、登場する企業は現実の会社を連想させるという。

 ただし大倉さんは、この小説の全部を信用して読まないでほしいとも主張した。紙に書かれたものやテレビなどのメディアは一意見でしかないので、全て疑うところからはじめましょう、と自分の頭で考える事が重要だと述べた。杏さんも「飲み込むんじゃなくて噛んだ方がいい」と賛同をあらわした。

 またこの日のゲストの翻訳家・鴻巣友季子さんが「噛めば噛むほど味の出る人生が描かれた本」として『コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。』片岡義男[著](光文社)を紹介。三省堂書店の内田剛さんは『しかしか』石井陽子[著](リトル・モア)を紹介した。

BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。

Book Bang編集部

Book Bang編集部
2016年5月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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