明文堂書店石川松任店「中毒になるかも!?」【書店員レビュー】

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

去年の冬、きみと別れ

『去年の冬、きみと別れ』

著者
中村文則 [著]
出版社
幻冬舎
ISBN
9784344424678
発売日
2016/04/12
価格
480円(税込)

明文堂書店石川松任店「中毒になるかも!?」【書店員レビュー】

[レビュアー] 明文堂書店石川松任店(書店員)

死刑囚についての本を書こうとしている〈僕〉。二人の女性を殺害した罪で死刑判決を受けた男は、『蝶』という名の写真で高く評価されたカメラマンであった。〈僕〉は、男について知るために、彼の周辺人物たちを取材していくのだが・・・・・・。
『教団X』(これはすごい作品ですよ!)などと同様、本作も多くの人に親しまれる作品とは言いづらい。しかし心を掴まれた時の中毒性はかなり強いので、どんな本か気になった人は是非読んで欲しい。最高の愛読書が見つかるかもしれませんよ。不器用ゆえにうまく生きられず狂うしかなかった人間たちに対する著書の想いが、ミステリという形式によって強く伝わってくる傑作だ。

トーハン e-hon
2016年4月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク