久米宏「トランプが勝つ確率は相当ある」池上彰「二大政党は崩壊するかも」伝説の二大キャスターがアメリカ大統領選について語った

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 久米宏さん(71)が書店店長、壇蜜さん(35)が書店員となり、毎回話題の本を取り上げるBS日テレの番組「久米書店」に5月15日、池上彰さん(65)が出演した。久米さんと池上さんはラジオでは共演したことはあるものの、テレビでの共演はこの日がはじめて。伝説のキャスター同士が世界情勢について大いに語り合った1時間となった。

■161万部を超える大ヒットシリーズ

 池上さんの新著『知らないと恥をかく世界の大問題7 Gゼロ時代の新しい帝国主義』(KADOKAWA)は世界が抱える大問題をコンパクトに解説した大ヒットシリーズの第7弾。7冊で161万部を超える大ヒットシリーズだ。刊行直前に発覚した「パナマ文書問題」や4月に起こった熊本地震についても解説されている。

■トランプは勝つのか?

 アメリカ大統領選について二人は触れた。久米さんは11月の本戦でヒラリーとトランプが戦った場合「みんな『アメリカ人も常識を持ってるんだからヒラリーに入れるに決まってるじゃないか』と言いますが、11月まで時間もあるし、世界でもアメリカでも何が起こるかわからない。トランプが勝つ確率は相当あるんじゃないかと思っている」と見解を述べた。

 それに対し池上さんは「共和党のトランプを嫌っている人はヒラリーに入れるかもしれない。逆にサンダースを支持している人は、棄権するかトランプに入れると言っている。11月にアメリカの政治は流動化し、政界再編が起こるかもしれない。二大政党制が崩壊するかもしれない」とアメリカの今後について解説した。

■点と線と面

 久米さんは同書で言及されている、ローマ法王が2015年に起きた様々な紛争を「第三次世界大戦ははじまっている」と述べたことを受け、「世界中でこんなに色々な事が起こっていると嫌になっちゃいません?」と池上さんに尋ねた。池上さんは「世界中で“点”のかたちで紛争が起こっている。その点を結びつけ“線”になり“面”になると推理してゆくのは、思考の試みとしては大変面白い」と悲惨な出来事を前にしても尽きない知的好奇心の源を明かした。松本清張の『点と線』でミステリにはまったという池上さんならではの喩えだ。

■イスラム国を作ったのはブッシュだ

 また池上さんは過激派組織ISを作ったのはジョージ・W・ブッシュだという論を展開。イラク戦争でフセイン政権は崩壊し、ブッシュの側近らに統治機構を担っていたバース党員が追放された。解雇された兵士たちは武器・弾薬を盗んで逃げた。このときイスラム国の「種」が撒かれた、と池上さんは述べている。現在イスラム国の納税制度を担っているのはブッシュが追い出したバース党員だという。それを聞いた壇蜜さんは口をあんぐりと開け「なんてこと……」と驚愕の表情を浮かべていた。

■教育がテロを減らす

 壇蜜さんは同書の2015年11月のフランスのテロは教育を受ける機会が与えられなかった移民の貧困の連鎖が遠因になっている、という部分を読みあげた。そして今後五輪を迎える日本でテロを起こさせないようにするには「世界でテロを生まない国づくりに貢献することではないか」と池上さんの言葉を引きながら持論を述べた。池上さんも「格差が広がると貧困により教育を受けられない子どもたちが増えてくる。子どもたちに公費で教育を受けさせ、しっかりと就職し働いてもらって税金を納めてもらう。その税金でさらに子どもたちに教育をしてゆく。良い循環をつくらないと、日本は非常に暗いなと思う」と教育の大切さを語った。

「本のギョーカイ新聞」コーナーでは「ビブリオバトル」を紹介。ビブリオバトルとは5分間でお薦めの本を紹介し合い、参加者の中で誰の紹介した本が一番読みたくなったかを競う「書評合戦」だと紹介された。また著者自らが本を売り込む「蜜読」のコーナーには、『誰もやらないのなら 医者の私がやります ~板橋区役所前診療所の物語~ 』(カナリアコミュニケーションズ)の著者島田潔さんが出演。訪問医療を行う診療所を医師自身が立ちあげた経験を書いた一冊を薦めた。

久米書店 ヨクわかる!話題の一冊」はBS日テレにて毎週日曜18:00から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年5月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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