世界の秘境を旅するテレビ番組に出演して「ネイチャリング・フォトグラファー」として人気を集めていた立花浩樹は、バブル崩壊を機にすべてを失った。家も、仕事も、恋人も。15年かけて借金を返し終えたものの、いまさら何をしたいのか、わからない。そんなとき、入院していた母から知人を撮影するように頼まれる。写真家として再出発することを決めた立花は再び上京。彼の回りには「敗者復活戦」に挑む男女が集まってきて…。人生は思うようにいかなくてあたりまえ。でもあきらめなければ、誰かを笑顔にできるかもしれない。胸に響く群像劇。(光文社・1500円+税)
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2016年5月22日 掲載
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