子供には悪いがそれでも離婚したい、というあなたへ――子連れ離婚を決意したとき、何を考え、何をするべきなのか

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親子は夫婦同様に近い関係なので、言葉の意味よりもそのときの感情のほうがストレートに伝わります。質問に躊躇してしまい「離婚は悪いことだ」と後ろめたい 気持ちで伝えると、子どもは間違いなく「お父さん(お母さん)がいないこと=いけないこと」「離婚=悪いこと」というマイナスのイメージで受け止めるで しょう。

離婚は「現状より幸せになるため」と決断した末の選択だったはずなので、気持ちを前向きにしたうえで事実をちゃんと伝えることが大切です。もし、気持ちを切り替えることができないのであれば、それは「まだ伝える時期ではない」ということ。それならば「いつか話をするから、もう少しだけ時間をちょうだいね」と言って待ってもらっていいのではないでしょうか?

こうした質問に関連して、親御さんのなかには「片親だとかわいそうな子にならないでしょうか?」と不安に思う人も多いでしょう。

しかし、かわいそうな子にしてしまうかどうかは周囲の大人の考え方次第です。親に限らず、祖父母など周囲の大人が「パパ(ママ)がいなくてかわいそう」と後ろ向きに思いながら子どもに関わっていると、子どもも「自分はかわいそ うな子なんだ」と思いながら育ってしまいます。親だけではなく、周囲にいる大人全員が事実を受け止めたうえで、前向きにとらえる必要があるでしょう。

子どもを愛せない、可愛いと思えない(p.195より)

離婚した後は気持ちが不安定になるのか、「子どもを愛せない」「かわいいと思えない」と悩む親御さんもたくさんいます。離婚は多大な労力を使うのでマイナス 気分が強くなり、自分のことだけでいっぱいになってしまうのでしょう。そう悩むのは、とても責任感が強く子どものことを真面目に考えているからこそです。

では、悩んだときにどう抜け出すのか? 大切なのはやはりプラスの感情です。自分の力で前向きになるのが難しかったらカウンセリングを受けたり、信頼のおける人に相談したりして手助けしてもらうのがいいでしょう。

「パパ(ママ)はどんな人?」と聞かれたとき(p.195-196より)

事情はどうあれ、離婚に及んだ相手のことです。「パパ(ママ)ってどんな人?」と子どもに聞かれて、とっさに浮かぶのは相手の悪口、という人も多いのではないでしょうか。
しかし、子どもにとっては唯一の親です。相手の悪口を伝えることで、自分の存在もいっしょに否定されたような気持ちになってしまいますので、「両親に愛されて生まれてきた」という事実と、できれば向こうの良いところを伝えてあげてほしいと思います。
お互いに愛し合って結婚し、子どもが生まれたあのころ。当時は相手のどこがいいと感じていたのでしょうか? もしかしたらもう忘れてしまっているのかもしれ ませんが、1つでも思い出して伝えてあげてください。仮にいいところを伝えるのが無理でも事実を教えてあげればいいと思います。悪口を伝えたところで、子どもにとって何もいいことはありません

ちなみに、新川さんは言葉で伝えるのが難しかったので「写真があるから見る?」と聞いて写真を見せたそうです。当時4歳頃の娘さんは「ふーん、こういう顔してるんだね。背が高いんだね!」と興味深く写真を見ていたとのことです。変に隠すことで思いを募らせるよりは、知りたいことを事実として伝えてあげたほうがいいでしょう

日本実業出版社
2016年1月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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