厚労省が出している人口動態統計によると2014年における国内の離婚件数は約22万件強、そのうち20歳未満の子がいる離婚件数は約13万件にのぼります(参考:e-Stat上の人口動態統計)。
離婚は子どもに大きな悪影響を及ぼすことが知られていますが、それでも「離婚」という決断を下すにいたったとき、なにをするべきなのか。「お金」と「子どものケア」を中心に、離婚にまつわる基礎知識を見てみましょう。
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まずは前提、「離婚できる理由」とは
離婚は双方の合意のもとに行なわれるものです。したがって、合意さえしていれば「性格の不一致」でも「生活上のすれ違い」でも、どんな理由であっても離婚ができます。しかし、片方が合意していない場合は、その限りではありません。
相手が合意していない場合、話し合いや調停、裁判といった手法をとることになります。裁判で離婚が認められるためには、主に次のような理由が求められます。
1.配偶者が不貞行為(浮気)をした場合
2.配偶者に悪意をもって遺棄された場合
3.配偶者の生死が3年以上不明の場合
4.配偶者が強度の精神病で、回復する見込みがない場合
5.その他、重大な事由がある場合
(『子連れ離婚を考えたときに読む本』p.44-45より)
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いくつかの項目について簡単に補足すると、(1)の浮気とは性的関係を伴う浮気をさします。裁判になると写真や音声といった証拠が必要になりますが、相手が深く反省しており関係修復の可能性がある場合は、離婚が認められないこともあります。
(2)の遺棄とは、たとえば残された側が生活に困るのを知りながら、勝手に家を出て行ってしまった場合などです。「配偶者によるDV(ドメスティックバイオレンス)を避けるため、自分から子どもをつれて別居する」といった場合はこれに該当しません。
(4)については医師の診断が必要です。また、離婚後に誰が面倒を見ていくのかなどを明らかにしておくことが条件になります。
「お金」に関する話し合いはどうする?
それでは次に、お金についてみていきましょう。離婚協議をする際の大きく取り沙汰されるのは、「月々の生活費・養育費」「慰謝料」「財産分与」が主なものになります。
月々の生活費・養育費となる婚姻費用
本来、夫婦ではお互いの生活レベルが同等になるように助け合う「生活保持義務」というものがあり、離婚前に別居を行なった場合は、主な稼ぎがある者が「婚姻費用」として、いわゆる生活費・養育費などを支払わなければなりません(民法760条)。
離婚の手続きと同様、婚姻費用は夫婦間の話し合いで決めるものであり、まとまらなかったら裁判所で調停が行なわれます。ただし、自分の年収が0、相手の年収が400万だからといって「半分の200万もらえる!」となるわけではありません。
裁判所では「養育費・婚姻費用算定表」という、婚姻費用の義務者(払う側)・権利者(もらう側)の年収に応じて払うべき金額を定めた表を公開しています。婚姻費用はこの表から算出された範囲内で話し合うことになり、子どもの人数と年齢によって複数ある表の中からどれを参考にするかが決まります。
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