“護憲派”と“改憲派”どちらも現実的ではない 27回の改正を経たアメリカ合衆国憲法に学ぶ

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 7月17日NHKラジオ第1「マイあさラジオ」のコーナー「著者に聞きたい本のツボ」に『憲法改正とは何か』(新潮社)の著者で法学者の阿川尚之さん(65)が出演した。日本でも議論の続く憲法改正について、国際的な視点から問題点が指摘された。

■27回の改正を経たアメリカ合衆国憲法

『憲法改正とは何か』は27回の正式な改正、解釈による多くの実質的改憲を経てきたアメリカ合衆国憲法の歴史を辿り、日本人の憲法観についても考えた一冊。番組では阿川さんが、同書で例示されるアメリカでの憲法の扱いを知ることにより、日本の憲法改正議論においても、考えるタネになれば著者としては嬉しいと語った。

■日本の憲法改正

 同書を書く際、もともとは日本の憲法改正については触れたくなかったと明かした阿川さん。しかし日本人がアメリカの憲法改正について考えるとき、日本国憲法のことをどこかでは考えている、と述べる。そして結局は合衆国憲法改正の歴史を辿った後に、日本国憲法の改正についても一章が割かれることとなった。

■“護憲”も“改憲”も現実的ではない

 そこで阿川さんは日本と国際社会の憲法観の違いを指摘している。日本では憲法改正に反対の人は「護憲」(ひたすら守る事)が目的のように語る。逆に改正に熱心な人は、現在の憲法は押しつけ憲法であり、全部改正しないとだめだと主張する。そこで阿川さんは「両方とも現実的ではない」と指摘。憲法は先人の作った枠組みではあるのだが、現実に当てはめるときにはどうしたらよいのか。そこを考え続けないと「怠慢になる」と極端な考え方に警鐘を鳴らした。

■憲法は神棚の上

 また、阿川さんは「アメリカ人は憲法を大切にするが、神聖視しない。日本人は憲法を神聖視するが大切にしない」という印象を受けると書いている。阿川さんがそう感じた理由とは、アメリカ人は政治家でも個人でも強い主張を持っており、それがどうして正しいかの理由づけに憲法をよく使う。しかし日本人は憲法を神棚の上に飾っておけば済むようなものだと思っており、憲法をどのように使うか真剣に考えていないのではないか、という印象を受けるからだと語った。

 NHKラジオ第1「マイあさラジオ」のコーナー「著者に聞きたい本のツボ」は毎週日曜6時40分ごろに放送。コーナーはNHKのウェブサイト(http://www4.nhk.or.jp/r-asa/340/)でも聞くことができる。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年7月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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