女帝メルケルは魔女なのか?「周りの男達が次々失脚」「他の首相では相手にならない」その正体に迫った

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 久米宏さん(72)が書店店長、壇蜜さん(35)が書店員となり、毎回話題の本を取り上げるBS日テレの番組「久米書店」に9月11日、ジャーナリストの佐藤伸行さんが出演し、ドイツの女帝メルケルの強みについて語られた。

■ドイツの女帝メルケル

 その日の番組では佐藤さんの著書『世界最強の女帝 メルケルの謎』(文藝春秋)が取り上げられた。同書はヨーロッパを引っ張るドイツの強さの核心であり、今やEUの大統領のような存在になったメルケル首相の正体に迫っている。壇蜜さんは「顔は知ってるけどよく知らない。急に現れたって印象がありますね」と、日本人にとってメルケルの出自はあまり馴染みがないことを告白していた。

■メルケルは魔女?

 アンゲラ・メルケル(62)は2005年からドイツ首相に君臨するスーパーウーマン。ロシアのプーチンやアメリカのオバマとも真っ向から対峙するEU・ヨーロッパのリーダーだ。はじまりは1990年ドイツ統一時の首相ヘルムート・コールに「統一ドイツでは東ドイツ出身の優秀な女性が必要だ」と見出されたこと。それまで東ドイツで物理学者として地味な暮らしをしていたメルケルが、35歳ではじめて脚光を浴びた瞬間だった。

 著者の佐藤さんは元時事通信社の記者。90年代ドイツ統一プロセスとその後の情勢を取材した経験をもつ。佐藤さんはメルケルが権力の座に上りつめて行く過程で、なぜか周りの男性が次々と失脚していったことを指摘した。メルケルは政治的な機微を敏感に感じ取り、権力を掴んでゆく。佐藤さんはその手腕を「メルケルには人が見えていないものまで見えているのではないか」と述べ「メルケルは魔女ではないか」と冗談交じりに語った。

■他の首相たちは勝負にならない

 久米さんはメルケルがサミットなどで「他の首相たちとは圧倒的に準備量が違う。勝負にならない」と述べると佐藤さんも「メルケルの強みは勉強が大好きなところ」と指摘し、メルケルはコール元首相に「象のような記憶力がある」と評されていたことを紹介した。

 そして佐藤さんは同書のなかで「メルケルは待つことの天才である」と述べており、「自分がひとかどの人物になると深く信じている人間は決して焦らないし、とことん待つことができる」と若い人たちもメルケルの忍耐力に学ぶべきだと解説した。

 またこの日の「本のギョーカイ新聞」のコーナーでは講談社新書編集部を舞台に、新書がどのように作られるかが特集された。著者が出演し本を売り込む「蜜読」のコーナーには『なぜ、元気な人ほど突然死するのか 1日、たった3分 強い血管をつくれば健康になる!』(ベストセラーズ)の著者・杉岡充爾さんが出演した。

久米書店 ヨクわかる!話題の一冊」はBS日テレにて毎週日曜18:00から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年9月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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