AAAを描いたドキュメント小説が1位 5位には親たちの共感を呼ぶミステリが登場【文芸書・ベストセラー】

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 9月19日~9月25日のAmazonの文芸書売り上げランキングが発表され、第1位は音楽グループAAAのドキュメント小説『あのとき、僕らの歌声は。』が獲得した。14日に発売以来、Amazonのランキングでは先週に引き続きの連覇となる。

 第2位は第155回芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの『コンビニ人間』。第3位は百田尚樹さんの『カエルの楽園』。1位から3位までは先週と変わらず。

 4位以下で注目は5位にランクインの『明日の食卓』。家族のなかの光と闇を描いた同作は24日にTBS「王様のブランチ」で取り上げられ、司会の谷原章介さん(44)が「ひとごととは思えなかった」と語り、子どもをもつ親たちから共感を集めているミステリー作品だ。

1位『あのとき、僕らの歌声は。』AAA[著](幻冬舎)

 AAAデビュー11周年記念ドキュメント小説。 「これまでのAAAの活動で、もっとも記憶に残っている出来事はなんですか?」 メンバーへの個別インタビューを元に構成した、落涙必至のドキュメント小説、ここに完成! 今だからこそ伝えたい、大切な記憶がある――。 数多の挫折や痛みを乗り越えてきた7人の、希望と絆の物語。(幻冬舎ウェブサイトより)

2位『コンビニ人間』村田沙耶香[著](文藝春秋)

 36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて……。現代の実存を軽やかに問い、正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。第155回芥川賞受賞。(文藝春秋ウェブサイトより抜粋)

 Book Bangでは写真家の長島有里枝さんと、文芸ジャーナリスト佐久間文子さん、書店員さんによる書評が掲載されている。

■異質な自分をめぐって
 社会生活のあらゆる場で、自分が「異質」だと思い知らされているのに、自分のなにが「悪い」のかはいつまでたってもわからない。芥川賞に決まったこの作品の主人公を通して、見えてくるのは自分にも馴染(なじ)み深い、そんな世界だ。…
https://www.bookbang.jp/review/article/516453

「コンビニ人間」と聞いて、あなたはどういう人間を想像するだろう。他人に都合よくつかわれる人? いつもコンビニにいる人? それともコンビニのご飯ばかり食べている人だろうか。…
https://www.bookbang.jp/review/article/517103

幼い頃「合理性」という基準で粗暴な行動を起こすなど問題児であった主人公。カウンセリング等も受けたようだが周囲の人間から「治らない」と心配される。いわゆる障害、とされるが知能にそうしたところは全くない。情緒障害とも違う。「合理性」こそが彼女を動かし自分ではどう他人と違うのか分からない。…
https://www.bookbang.jp/review/article/517515

3位『カエルの楽園』百田尚樹[著](新潮社)

 安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、平和で豊かな国「ナパージュ」にたどり着く。そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守り穏やかに暮らしていた。ある事件が起こるまでは――。著者自らが「私の最高傑作」と断言。平和とは何か。愚かなのは誰か。大衆社会の本質を衝いた、寓話的「警世の書」。(新潮社ウェブサイトより抜粋)

 Book Bangでは百田さんの刊行記念インタビューが掲載されている。

作家になって10年。常に異なるジャンルの小説を書き続けてきた著者が、節目の年に新たに挑んだのは「寓話」。警世の書としても読める待望の最新長編はどのようにして生まれたのか。自身の言葉で語ってもらった。…
https://www.bookbang.jp/review/article/512301

 4位以下は次の通り。

4位『みかづき』森絵都[著](集英社)

5位『明日の食卓』椰月美智子[著](KADOKAWA)

6位『シルバー川柳6』[著](ポプラ社)

7位『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和[著](サンマーク出版)

8位『陸王』池井戸潤[著](集英社)

9位『大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』』大隈重信[著](祥伝社)

10位『海の見える理髪店』荻原浩[著](集英社)

Amazon文芸書売り上げランキングより 集計期間9月19日~9月25日〉

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年9月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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