女優の杏 5月に出産した双子の顔に「違いが出てきた」双子を持つ親ならではの葛藤を告白

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 女優の杏さん(30)とナビゲーターの大倉眞一郎さんが毎週1冊ずつ本を持ちより紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。10月2日の放送では杏さんはジブリアニメにもなった『魔女の宅急便』の続編最終巻をとりあげた。双子のお母さんとなっている主人公キキに自身を重ね、子育てや双子に関するエピソードをたっぷりと明かした。

■「魔女の宅急便」のキキが双子のお母さんに

 この日杏さんは「シリーズ最終巻だけを手渡された私。して、そのワケは……」と『魔女の宅急便 〈その6〉それぞれの旅立ち』角野栄子[著](福音館書店)をとりあげた。映画にもなった魔女キキの物語のシリーズ6作目。キキはとんぼと結婚して13年、30代半ばになっている。男女の二卵性の双子にも恵まれており、女の子の方はかつてキキが魔女になる旅に出たように、旅立ちのときが近づき迷いを抱えている。一方男の子のほうは魔女にはなれないのに魔女に興味津々。2人の葛藤や親となったキキの思いがさわやかに描かれた一作だ。

■双子が生まれた杏さんは

 杏さんは同作を子どもの出産祝いに友人からプレゼントされたという。自身に生まれた双子は一卵性の女の子2人だという杏さん。30代になった杏さんも、ほぼキキの立場から見るような気持で読んだという。同書の中でも描かれるように、一緒に生まれた双子が、同じであれば違っていればいいと思うのに、違っていれば同じでありたいと思う。そのような場面が今後自分の子どもにもあるのかもしれないな、と推測しながら楽しんだという。

 また5月に生まれた杏さんの双子の姉妹は、最初顔がまるっきりいっしょだったが、最近になって違いが出てきたという。いっしょだったころは「差が出てきたらいいのにね」と言っていたが、差が出てくると「またいっしょになるのかなあ」と親としての葛藤を明かす。そして今は顔だけだが、いずれは中身にも違いや同じ部分が見えてきて、その葛藤を感じるんだろうなと、同書を読んで気付かされたようだった。

 また忙しい子育てのなかイラっとしてしまう母親としてキキ、甘い父親になっているとんぼ、2人の様子も描かれ、杏さんは「すごく新鮮でした。出来ればまたアニメでみたいな。あの世界観のビジュアルでもみたい」とアニメ化を熱望していた。

■戦後最大の未解決事件にひとつの答え

 大倉さんは「日本はアメリカに占領されていた。つまり日本は日本を統治していなかった」と『下山事件 暗殺者たちの夏』柴田哲孝[著](祥伝社)を紹介した。同書は戦後最大の未解決事件、下山事件を小説として描いた一作。著者は9年前にルポルタージュ『下山事件完全版―最後の証言』(祥伝社)も著しているが、出版後にあらたな証言者が次々とあらわれたという。ルポで終わり、ではなくはじまりだったのだ。そこでこの問題を広く世に知らしめるために今作を小説として執筆したという経緯がある。

 大倉さんは同書を読み、さらにいきさつを調べた結果「GHQに圧力を受けたある機関による他殺説が有力ではなかろうかと思うようになった。私としては最終版」と未解決事件にひとつの答えを与えてくれる一冊だと解説した。

 また3週連続のゲストで今週初登場のクリープハイプの尾崎世界観さんが自身初の小説『祐介』(文藝春秋)を紹介。また八重洲ブックセンター上大岡店の平井真実さんは『小説王』早見和真[著](小学館)を紹介した。

BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。

Book Bang編集部

Book Bang編集部
2016年10月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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