【児童書】『また おこられてん』小西貴士作、石川えりこ絵

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

また おこられてん

『また おこられてん』

著者
小西貴士 [著]/石川えりこ [イラスト]
出版社
童心社
ISBN
9784494016259
発売日
2016/09/17
価格
1,430円(税込)

【児童書】『また おこられてん』小西貴士作、石川えりこ絵

[レビュアー] 産経新聞社

 

■子供心が分かっている

 男の子とお母さんの関係ってちょっと特別。恋人のようで、すごく密なのだ。だからお母さんの態度にも敏感に反応してしまう。

 ここに登場する「ぼく」は毎日、いろいろなことでお母さんに怒られる。散らかしたり、いつまでも遊んでいたり、嘘をついたり。つい、お風呂でお父さんにグチる。

 「かあちゃん、ぼくのこと きらいになってしもうたんかなあ」

 それを聞いたお父さんが「ぼく」に語り始めて…。担当編集者によると、ここで「笑う人と涙ぐむ人と2通りいるんですよ」だそう。いや、絶対、後者でしょう。

 子供を温かく見つめた写真で知られる小西さん。さすが、子供心が分かっている。日々、子供を怒ってしまい、「やっちゃった」と反省しているお母さんにお届けしたい。

 創刊された新シリーズ「童心社のおはなしえほん」の一冊。同時刊行の『きつねみちは、天のみち』『つきよの3びき』も、それぞれ味わいが違って、いい。(童心社・1300円+税)

産経新聞
2016年10月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク