【話題の本】『荒汐部屋のモルとムギ』ゆかい・写真
[レビュアー] 産経新聞社
■猫と力士…4冊同時刊行
東京の日本橋浜町にある大相撲の荒汐部屋で暮らす2匹のネコを撮った写真集。モル(12歳♂)はいつも、力士たちがぶつかり合う稽古場でゴロゴロしていて「猫親方」と呼ばれている。〈世界一稽古を見ている猫です〉。一方のムギ(10歳♂)は「部屋番」。力士たちの部屋でずっと生活するインドア派。どちらも野良ネコだったが部屋で飼われることになって、力士たちと仲良く暮らしている。
写真集は、ネコたちのいる相撲部屋の日々を追い、力士たちが順番にモルとツーショット写真を撮影するなど、じつにほほえましい内容。外国人向けにテキストには英訳もついている。
さて「話題」なのは、そのかわいさではない(かわいいけど)。この2匹の写真集、なぜか突然、本書も含めて4冊がほぼ同時に刊行。『相撲部屋の幸せな猫たち』安藤青太写真(リブレ)、『モルとムギ 相撲部屋の猫親方』前田悟志写真(河出書房新社)、『荒汐部屋のすもうねこ モルとムギと12人の力士たち』安彦幸枝写真(平凡社・14日発売予定)。五輪やサッカーW杯も真っ青の出版ラッシュだ。「組み合わせの妙」と言ったりするが、相撲とネコ…もしかして最強!?(リトルモア・1300円+税)