■グルテン不耐症は自覚がない
現在、アメリカでは、133人に1人の割合でセリアック病の患者さんがいると推計されています。グルテン不耐症の患者さんはさらに多く、20人中に1人です。しかし、診断されている人はわずかです。ほとんどの人が、心身の不調に悩みながらも、何が原因かもわからず、日常を過ごしています。
なぜ、症状とグルテンを結びつけるのが難しいのでしょう。
理由は、遅発型のアレルギーであることです。
アレルギーには、摂取後わずか数分のうちに症状が現れる「即時型」と、時間が経ってから症状が現れる「遅発型」があります。摂取後、数日が経って、症状が現れることさえあります。こうなってしまうと、何が原因で症状が起こっているのか、本人も医師もわかりにくいという事態が生じます。
■パンの中毒性は14日で抜ける
「パンをやめよう!」
そんなことをいわれても「想像できません!」と否定的な気持ちがわいてくるでしょう。
安心してください。難しいことはありません。
実践者の方が口を揃えていうのは、少しの間だけ我慢できれば、依存症が消えて、食べたいと思えなくなるということです。
ここで大切なことがあります。小麦抜きの生活を実践するには「小麦をやめる!」と大きな決断をするのではなく、1食1食、小麦を食べなくてすむメニューを考えていくようにすることです。とにかく14日間、小麦を口にしない食事を積み重ねましょう。そして14日後に、はじめる前と、今の体調や心の状態を観察してみてください。
グルテン不耐症でない人であっても、14日間続けるうちに、
「体重が減る」
「肩こりが消える」
「体のむくみが解消される」
「疲労感が薄らぐ」
「肌が整う」
といった変化を感じられると思います。そうした体の声に耳を傾けてください。
禁断症状が消えるまでの過ごし方は、禁煙と似ています。
禁煙経験者の方は、よくわかると思います。禁煙中、がまんしきれずに1本でも吸えば、再びスモーカーに戻ってしまいます。しかしニコチン依存症がおさまれば、「なぜ、あんなものを……」と不思議に思うはずです。グルテンフリーも同じです。「パンを食べたい」という禁断症状があるうちは、小麦粉食品を口にしないようがんばってみてください。脳が依存症から脱すれば、小麦粉食品への興味は失われ、「食べたい」と思わなくなります。
そうなったら今度は、試しに一口、大好物だったパンを食べてみてください。
どう感じるでしょうか。食べたあとの感覚を観察してみてください。
「なんでこんなものをおいしいと感じていたのだろう」
禁断症状が消えたあとに、小麦粉食品を口にすると、多くの人はそんな感想を漏らします。あなたも感じたならば、グリアジン依存症を脱した証拠です。
──◆◇◆
いかがでしょう。グルテンフリーというと、大変な難業のように聞こえるかもしれませんが、『長生きしたけりゃパンは食べるな』の著者・フォーブス 弥生さんは、同書の中でズボラな人でも簡単にできる日本人向けのグルテンフリーレシピも紹介しており、「グルテンフリーは日本の食卓でも難しくない」と述べています。
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