『飛田をめざす者』
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『飛田をめざす者』杉坂圭介著
[レビュアー] 産経新聞社
著者は160もの“店”が軒を連ねる大阪・飛田新地で店の経営者、女性のスカウトマン、「熟女店」の共同管理者を務めた人物。中国人観光客の「爆買い」が見られるようになった飛田の「リアル」を平易な語り口で伝える。
「社会にとって、無駄な仕事はない」との信念で、飛田で生きてきた著者の体験に裏打ちされた言葉は、“あちら側の人”であることを差し引いても、学ぶべきことは多い。一例を挙げれば、元客室乗務員の新人や60歳で現役の女性のエピソード。ここには口だけではない「おもてなし」の本質があぶり出されているように思う。(徳間書店・1500円+税)