女優の杏 歴史の萌ポイントを明かす 来週はBOOK BAR大賞の発表!

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 女優の杏さん(30)とナビゲーターの大倉眞一郎さんが毎週1冊ずつ本を持ちより紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。12月11日の放送で杏さんは江戸時代の人々の暮しがよくわかる句集を紹介した。

■江戸時代の気軽な句集

 杏さんは「昔の人もおんなじとこもあるのかな?」と『誹諧 武玉川』慶紀逸[編](岩波書店)を紹介した。武玉川とは、川柳と同じように五・七・五や七・七で詠まれた句。付け句・連句集とも言える。歌人から庶民まで様々な身分の人々の句が1万句以上掲載されている。

 食や生活についてなど、俳句や川柳ほど堅苦しくなく自由に歌われた句からは、江戸時代半ばの人々の暮しの風景や息遣いを感じ取ることができる。杏さんは句の中から実際に武士がいたんだと感じられたという。また300年まえから納豆や酢味噌が食べられていたんだ、と現代と繋がる感覚を得ることができたと語る。読み進めるうちに「へー、ほー」とうなずくことが多く「私の歴史の萌ポイントが詰まってました」とお薦めした。

■「狼の口の中へ!」その意味は?

 大倉さんは『翻訳できない世界のことば』(創元社)が話題の著者エラ・フランシス・サンダースの新著『誰も知らない世界のことわざ』を紹介した。世界のユニークな慣用句やことわざを集め、イラストとともに紹介した読んでも眺めても楽しい一冊だ。

 杏さんが「良い着眼点ですよねえ」と感心すると、大倉さんも「発想が素晴らしい。簡素に作られていると思いきや計算されている」と同書の“深さ”を解説。また「日本のことわざに似ているものもあれば、まったく浮かんでこないものもある。世界はダイバーシティ(多様性)に溢れている」と絶賛した。

 掲載されていることわざを一部紹介すると、イタリアで使われている「狼の口の中へ!」は「Good luck」という意味。英語の「pとqに気をつけて」は「言葉によく注意してお行儀よく振る舞いなさい」という意味だ。日本からも「猫をかぶる」等が掲載され、頭に猫を乗せた奇妙なイラストはさぞ世界の人々に衝撃を与えているだろうと感じられる。

 3週連続のゲストとして作家の二宮敦人さんが出演。東京藝大の知られざる実態をルポルタージュしたノフィクション『最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常』(新潮社)が人気の二宮さんは『ハーメルンの笛吹き男――伝説とその世界』阿部謹也[著](筑摩書房)を紹介した。また下北沢の書店B&B店長の寺島さやかさんが『ライト兄弟はなぜ飛べたのか―紙飛行機で知る成功のひみつ―』土佐幸子[著](さ・え・ら書房)を紹介した。

BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。来週18日が年内最後の放送となる。来週は「マイベスト・ユアベスト」として、2人が今年読んだ本の中で一番良かった1冊を選ぶ「マイベスト」、BOOK BAR大賞が発表される。またお互いが紹介した本の中で一番響いた本も「ユアベスト」として選出される。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年12月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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