人ひとりの人生には必ずドラマがあり、ミステリがあると教えてくれる「終活」ミステリ

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 12月17日放送のTBS「王様のブランチ」のブックコーナーに作家の芦沢央さん(32)が出演し、新著『雨利終活写真館』(小学館)が取り上げられた。

■注目の若手ミステリ作家登場

 芦沢さんは2012年のデビュー作『罪の余白』(KADOKAWA)が映画化され、今年6月に発表した『許されようとは思いません』(新潮社)も年末の各社ミステリランキングに続々とランクインを果たす、今注目の若手ミステリ作家。

 新著『雨利終活写真館』はハートウォーミングなミステリ。巣鴨にある遺影専門の写真館を舞台とし、終活のためそこに訪れる人と彼らが抱える謎を紐解いていく。終活とミステリは一見、相容れないテーマのように見えるが、番組で芦沢さんは「自分が悔いのないエンディングを迎えられるように、終活をしてゆく人の話でもあり、死を見送る側の物語でもある」と話す。「人ひとりの人生には必ずドラマとか謎があって」それがミステリになると作品に込めた思いを語った。

■誰もが自分のこととして

 同書は4編の連作で構成されている。それぞれ「謎の遺言を残して亡くなったクイズ好きの祖母」「母の死をきっかけにこじれてしまった親子の葛藤」「妊婦と夫らしき男性の写真、そこに秘められた過去」「2人の女性と別々に撮った2枚の遺影、余命わずかな男性の願いとは」といったどれも心温まる作品が収められている。

 芦沢さんは「終活というとお年寄り向けと思われがちだが、大切な人の死を看取るとか、その後も生きていくというのはあらゆる人に訪れ得ることだと思う」と語り、「ミステリであり家族小説でもある」と誰もが自分のこととして身を置ける小説だと解説した。

■芦沢さんの見事な手さばき

 番組解説者で早稲田大学文学学術院准教授の市川真人さんは、芦沢さんを「抜群のバランス感覚のある作家」と評した。終活というと暗い話になりがちだが、そこを明るく楽しく読ませてくれるという。また「エンタテインメントを作ってゆく時の手さばきが上手い」と芦沢さんの手腕を絶賛した。

王様のブランチ」はTBSにて毎週土曜日9:30から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年12月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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