書店員が選ぶ「キノベス!2017」発表! 1位に選ばれたのはクリスマスプレゼントにぴったりの素敵な一冊!

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 12月19日、紀伊國屋書店スタッフが選んだ「キノベス!2017」が発表され、第1位は『翻訳できない世界のことば』が獲得した。

■キノベス!とは

「キノベス!2017」は、過去1年間に出版された新刊(文庫化タイトル除く)を対象に、紀伊國屋書店スタッフが「自分で読んでみて本当に面白い、ぜひ読んでほしい本を選び、お客様におすすめしよう」という企画。紀伊國屋書店担当者は「当社のスタッフが自信を持っておすすめする本。店頭で、ぜひお手にとってご覧ください」と薦めている。

■第1位『翻訳できない世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース/前田まゆみ(訳)、創元社)

『翻訳できない世界のことば』は世界中に存在する、他の言語に訳すときにひと言では言い表せない特有の言葉を集めた一冊。ユニークな解説とイラストでまとめられている。4月の発売以来、書店店頭やテレビ、ラジオ、また新聞、雑誌の書評などで何度も取り上げられ、本好きの間では知らないものはいないほどの大ヒット。

 Book Bangでも作家の青山七恵さん、週刊新潮、書店員さんなど、様々な評者が同書を推薦している。また6月8日放送のNHK総合「ひるまえほっと」では女優で作家・書評家としても知られる中江有里さん(42)が「知らない言葉がいっぱい。読んでも楽しいし、眺めても楽しい。知ると使いたくなる」と楽しみ方をあげながら紹介した。

青山七恵(作家)レビュー
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 旅先の街の人に駅までの道を聞いたとき、お礼を言って歩き始めたとたんにその道順を忘れてしまう、そんな経験はないだろうか。この状態をハワイ語では「アキヒになった」と言うそうだ。…
https://www.bookbang.jp/review/article/512382
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週刊新潮レビュー
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 それを一語で言えるのかと驚くような単語は、世界中にある。そんなことばを集め、魅力的な挿絵をつけた大人の絵本だ。…
https://www.bookbang.jp/review/article/512936
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BOOK FOREST 森百貨店(書店員)レビュー
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 世界には翻訳できない言葉がたくさんあります。たとえば前述の架空の文章は、なんとなく日本人ならイメージしやすいと思いますが、外国人には瞬時にその情景が伝わらない文章です。…
https://www.bookbang.jp/review/article/517491
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中江有里(女優・作家)NHK総合「ひるまえほっと」より
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■「ポロンクセマ」とは?
 世界には他の言語に訳すときに、ひと言では言い表せない特有の言葉がある。『翻訳できない世界の言葉』は、そんな翻訳できない言葉を集めて、ユニークな解説とイラストでまとめた単語集。…
https://www.bookbang.jp/article/513706
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■第2位『ハリネズミの願い』(トーン・テレヘン/長山さき(訳)、新潮社)

『ハリネズミの願い』の主人公は自分のハリが大嫌いなハリネズミ。臆病で気難しいハリネズミは他の動物たちとうまくつきあえない。それでも誰かを家に招こうと思い手紙を書くも、送る勇気が出ない。他の動物がもし来たらどうなってしまうのだろう、とトラブルを想像し怯えて踏み出せない。果たしてハリネズミに友達はできるのか? オランダで最も敬愛される作家による大人のための物語。

 同書について谷川俊太郎さんは「大笑いしてるうちにぎくっとして、突然泣きたくなる21世紀のイソップ」と絶賛している。Book Bangでは作家の青山七恵さんによる書評と、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんによる「泣きながら読んだ。いま孤独を感じている人に読んでほしい一冊」との評が読める。

青山七恵(作家)レビュー
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 森の片隅にひっそり暮らす、臆病で孤独なハリネズミ。ある日ふとほかのどうぶつたちを家に招待してみようと思いついて、さっそく手紙をしたためる。…
https://www.bookbang.jp/review/article/516455
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中瀬ゆかり(新潮社出版部部長)TOKYO MX「5時に夢中!」より
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中瀬さんは「人と上手く付き合えず、折り合えず、トラブルに遭いながらも友達を求めるハリネズミに気持ちが重なり、泣きながら読んだ。いま孤独を感じている人に読んでほしい一冊」だと薦めた。
https://www.bookbang.jp/article/514846
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■第3位『蜜蜂と遠雷』(恩田陸、幻冬舎)

『蜜蜂と遠雷』は音楽の世界を舞台にした青春群像小説。数多の個性的な天才たちが鎬を削るピアノコンクールがドラマチックに描かれる。Book Bangでは書評家の杉江松恋さんと作家の朝井リョウさんによる書評が掲載されている。朝井さんは「小説で味わいたい要素のすべてが凝縮されている、奇跡のような一冊だ。(中略)こんな小説を、私もいつか書いてみたい」と評している。

杉江松恋(書評家)レビュー
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 才能と情熱の小説である。 恩田陸『蜜蜂と遠雷』は、国際ピアノコンクールを主舞台として描かれる音楽小説であり、演奏行為を通じて、さまざまなことが綴られていく。…
https://www.bookbang.jp/review/article/519375
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朝井リョウ(作家)レビュー
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 読書面が日曜の朝刊で本当によかった。五百ページ超えの二段組、大ボリュームのこの物語は、読み終わるまで私たちを放してくれない。休日に一気読みすることをオススメする。…
https://www.bookbang.jp/review/article/521681
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◆「キノベス!2017」

【 1位】『翻訳できない世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース/前田まゆみ(訳)、創元社)
【 2位】『ハリネズミの願い』(トーン・テレヘン/長山さき(訳)、新潮社)
【 3位】『蜜蜂と遠雷』(恩田陸、幻冬舎)
【 4位】『夜行』(森見登美彦、小学館)
【 5位】『ガイコツ書店員 本田さん』(本田、KADOKAWA)
【 6位】『また、同じ夢を見ていた』(住野よる、双葉社)
【 7位】『マチネの終わりに』(平野啓一郎、毎日新聞出版)
【 7位】『ジャッジメント』(小林由香、双葉社)
【 9位】『コンビニ人間』(村田沙耶香、文藝春秋)
【10位】『このあと どうしちゃおう』(ヨシタケシンスケ、ブロンズ新社)
【11位】『暗幕のゲルニカ』(原田マハ、新潮社)
【12位】『家康、江戸を建てる』(門井慶喜、祥伝社)
【12位】『罪の声』(塩田武士、講談社)
【12位】『〆切本』(夏目漱石ほか、左右社)
【15位】『文房具図鑑』(山本健太郎、いろは出版)
【16位】『プリズン・ブック・クラブ』(アン・ウォームズリー/向井和美(訳)、紀伊國屋書店)
【17位】『みかづき』(森絵都、集英社)
【17位】『やがて海へと届く』(彩瀬まる、講談社)
【19位】『小説 君の名は。』(新海誠、KADOKAWA)
【20位】『子宮の中の人たち』(EMI、KADOKAWA)
【20位】『洗礼ダイアリー』(文月悠光、ポプラ社)
【20位】『ジニのパズル』(崔実、講談社)
【23位】『キリンビール高知支店の奇跡』(田村潤、講談社)
【23位】『眩』(朝井まかて、新潮社)
【23位】『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(今泉忠明(監修)下間文恵/徳永明子/かわむらふゆみ(イラスト) 高橋書店)
【26位】『倒れるときは前のめり』(有川浩、KADOKAWA)
【26位】『村に火をつけ、白痴になれ』(栗原康、岩波書店)
【26位】『明るい夜に出かけて』(佐藤多佳子、新潮社)
【26位】『テロ』(フェルディナント・フォン・シーラッハ/ 酒寄進一(訳)、東京創元社)
【26位】『ジェリーフィッシュは凍らない』(市川憂人、東京創元社)

「キノベス!2017」の店頭でのフェアは、2017年2月10日(金)より全国の紀伊國屋書店にて一斉に開催される。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年12月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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