【手帖】注目の生命論的世界観

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 小林道憲著「〈生命(いのち)の哲学〉コレクション」がミネルヴァ書房から順次刊行中だ。これまでに『生きた自然を探求する』『動く倫理学を展開する』『生命パラダイムから歴史と芸術を読む』『宗教とは何か』(各6500円+税)の4冊が配本された。

 〈生命はどこからきたのであろうか〉という一文で始まるシリーズは、「生命と宇宙」についての考察から得た世界観を足場に、倫理や歴史、芸術、宗教、文明などについて、具体例を引きつつ平易な言葉で思考を深めていく。

 気付かされることが多い。たとえば〈進歩の歴史観〉。進歩の概念が現代人の思考を全面的に支配していて、多くの人は現在の状態を至上の発展形態と認識し、さらに進歩することが行為の規範にもなっている、と著者は指摘しつつ、〈「輝かしき未来」という神聖な神は、果たして本当に未来に存在するのであろうか〉との疑問を呈する。

 福井大などで教鞭(きょうべん)を執った著者は、刊行に当たって「現代文明の批判的考察を通して、それを包み越える方向で、生命論的世界観を構築してきた」と哲学へのアプローチを振り返っている。6月に全10巻が完結する予定だ。

産経新聞
2017年1月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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