たとえば「その日はあいにく英会話の日なので」といった習い事や、家庭がある人であれば「僕が食事を用意する担当なんです」といったフレーズをつかう手があります。また2ヶ月後など、かなり先のスケジュールで誘われたというケースであれば、「ごめん、仕事の都合で、直前にならないと予定がみえないんだ……」などと約束を保留にしておく方法が考えられます。
他にも「医者に血糖値が高いから外食は控えろと言われている」「子どものイベントがあって」「お金がない」なども考えられます。
あくまで一例にすぎませんが、とにかく自分なりに相手が納得する断りのフレーズをあらかじめ用意しておき、とっさの誘いにも断る準備をしておくと安心です。
3. 「他人に追随」して判断力が低下
「いい人」は他人と摩擦を起こさないよう、周りに合わせようとします。自分で判断することを避け、他人に従いがちです。それは、自分がなく、他人に追随する生き方ともいえます。
自分の価値基準や判断軸がない人は、いいことも悪いことも含め、他人の影響を受けやすくなり、「あの人がいいと言ったから」「こういう意見があったから」と信用し行動します。そうした姿は「素直さ」として美徳にもなりますが、素直さと思考停止は表裏一体です。
何かあったときに他人のせいにするような、自分で判断することを避けた生き方は、合理的・論理的な思考や決断する力の弱さにつながります。キャッチセールスや新興宗教に引っかかりやすい人に「いい人」が多いのは、そのせいかもしれません。
こうした状況から脱するためには、自分の価値基準や判断軸に自信をもてるようになる訓練が必要です。その方法のひとつとして、著者が提案するのが、「自分のすべての判断と行動に理由をもつ」ことを習慣づけることです。
たとえば、ちょっとした買い物でも、ただ欲しいというのではなく、「買って得られる具体的なメリット」を考え、買う理由をもつ。上司からの指示を受けて動いたとき、「指示されたから」ではなく、自分がなぜそのように動いたのか合理的に判断し行動する。
このように、あらゆる判断や行動に、自分なりの根拠や理由を考える習慣をつけることにより、自分の価値基準が徐々に見えてきます。
それはやがて、他人の意見に容易に流されることのない、強い判断軸を養う土台となるでしょう。
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「いい人」でいることに疲れてしまった。周りの目を気にせず、自分らしく生きたいという人は、少なくないはずです。
著者である午堂登紀雄さんはクビ同然で会社を辞め、転職先では疲弊して体を壊し、会社を立ち上げては撤退し、苦しみ抜いた末に「自分に正直な生き方」を手にしました。本書には、ときには耳に痛いフレーズも出てきますが、軽妙かつ痛快な語り口で、新たな生き方を気づかせてくれます。
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