【手帖】批評性とユーモア満載のコレクション

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 「内向の世代」の作家の一人、後藤明生(1932~99年)の作品を収めた『後藤明生コレクション』(国書刊行会、全5巻)の刊行が始まった。いとうせいこう、奥泉光、島田雅彦、渡部直己の4氏が編集委員を務め、鋭い批評性とユーモアを備えた作品群を紹介していく。

 後藤は早稲田大露文科卒業後、博報堂や平凡出版(現マガジンハウス)勤務を経て専業作家に。昭和56年に『吉野大夫』で谷崎潤一郎賞、平成2年に『首塚の上のアドバルーン』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。近畿大文芸学部長も務めた。

 第1回配本の『前期I』は、雑誌出版界にうごめく人間の複雑な関係性をユーモラスかつ軽妙な筆致で描いた「関係」をはじめ初期の秀作8編を収録している。今月刊の『前期II』には代表作『挟み撃ち』など7作を収める。

 今後は中期、後期の小説のほか、評論やエッセーなども紹介していく。10月に完結する予定という。各巻予価3000円+税。

産経新聞
2017年1月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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