個人投資家必見「カネが逃げ出す危険な習慣」とは?――儲けたからといって人におごってはいけない

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2.1つの銘柄にこだわりすぎる

毎日のように四季報を眺めて、これぞという銘柄を見つけたとします。それを毎日追いかけて買いの機会を今か今かとうかがう……。しかし往々にして、そんなことをしている間にその銘柄が上昇して割安でなくなってしまうものです。

このようなことがよくある人は、儲けたいという願望が強すぎて視野狭窄に陥っている可能性があります。相場にのめり込み過ぎ、とも言えるでしょう。精神的にバランスを欠いているので、やがて大損する可能性があります。

投資家たるもの、広く世界を見て、世間も見て、市場以外にも興味と関心を持つべきであろう。

(同書214ページより)

ちなみに山崎氏は大変な読書家で、多くの古典に通じています。そんなことも広い視野を保つことができる要因かもしれません。

3.時間にルーズ

山崎氏は長い投資歴の中で、成功者(賢者)と失敗者(愚者)の違いを興味深く観察してきたそうです。一言で言ってその違いは、成功の頂点にあるときに自分を律したか、すくなくとも律しようとしたか、にあらわれるそうです。

これはジョージ・ソロスやケインズといった世界的に著名な投資家にもあてはまります。山崎氏は彼らが過ごした街の市民たちに、彼らの日常生活について取材したそうです。彼らはおごりたかぶることなく、自律的に、そして自由に生きていました。

時間にルーズな人は、自分を律することのできない人と言えます。技術革新によってごく短時間に大きく値が動く今の市場ならなおのこと、時間の感覚がない人は投資で損をすると思って間違いない、と言うのが山崎氏の見方です。

4.理論経済学を机上の空論だと思っている

一般の投資家のなかには、経済学の理論を、実際の投資には役に立たない空論だとして関心を持たない人も多いようです。

しかし、前述したケインズは、偉大な経済学者であると同時に株で大儲けした投資家としても知られています。

理論それ自体は投資の結果に直結しないかもしれませんが、例えば「景気循環論」に関する知識がある人とない人では、毎週発表される景気動向指数の読み方や、投資判断をするための感覚に違いが出ます。

経済学の理論は投資の実践と決して無縁ではありません。

5.相場の格言・至言に関心がない

「株を買うより時を買え」「売り買いは腹八分」などの相場格言は、投資の世界で古くから言い伝えられてきた、投資家たちの精神的なよりどころと言えます(参考「相場格言集」日本証券業協会webサイト)。

投資に失敗する人は、こうした格言を無視したり、そもそも知らなかったりすることが多いそうです。

いまも残る相場格言は、『聖書』や『論語』が現代にも生きる“ベストセラー”であるのと同じように、何百年もの歴史の検証に耐えてきた言葉です。気づきを得られると同時に投資の世界の奥深さを感じさせてくれます。今まで関心がなかった人も参照してみてはいかがでしょうか。

もっとも、格言や至言がつねに正しいとは限らないのも真実。盲信は禁物、ということも心得ておきましょう。

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短期的な投資の結果に一喜一憂せず、投資以外にも広く世の中に関心を持ち、自分を律して自由に生きること。そして、そうした習慣を大切にすること。これが、個人投資家が長期に渡って儲けを出す秘訣のようです。

投資における「賢者の習慣」に学んで、常勝投資家を目指してみませんか?

日本実業出版社
2017年1月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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