浅田次郎が語る直木賞選考会の裏側 「揉めてしまうこともありますよね」と稲垣吾郎が迫った

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 稲垣吾郎さん(43)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」に1月27日、小説家の浅田次郎さん(65)が出演した。直木賞選考会の裏話や傑作時代小説の稲垣吾郎主演での映画化の可能性が語られた。

■日本を代表する作家

 浅田さんは番組初登場。稲垣さんは「ちょっと緊張しますね。どうしよう怖い方だったら。でも嬉しいですよね、ずっとオファーし続けてようやく」と怖がりながらも待ち望んでいたことを告白した。

 浅田さんは1991年にデビューし1997年に『鉄道員』(集英社)で直木賞を受賞。『地下鉄に乗って』(徳間書店)や『壬生義士伝』(文藝春秋)『中原の虹』(講談社)などベストセラーを連発し、数々の文学賞を受賞している。これまでに200冊以上の著書がある。2007年からは直木賞の選考委員も務めるまさに日本を代表する作家だ。

■直木賞選考の熱い裏側

 先日第156回直木賞を受賞した『蜜蜂と遠雷』恩田陸[著](幻冬舎)については「音楽という言葉や字では本当はあらわすことのできないものを、果敢に挑戦し小説にしたというところに良い評価があがりました」と語った。

 そして他の賞と違い直木賞の場合は一生“直木賞作家”と呼ばれるため「作家の人生の中では重たいもの。その人の作家人生を決めるという緊張感が選考会場にはある」とプレッシャーのかかる選考会の裏側を明かした。

 稲垣さんに「白熱して空気が悪くなって揉めてしまうこともありますよね」と問われると「ありますよ。その人の読み方によってそれぞれ小説は違うから。孤独の○、孤独の×になってしまうこともあります。そういうときもその理由に対し責任を持たないとだめ。論理的に説明できなければならない」と熱い選考が行われていることを明かした。

■無血開城前夜、江戸城にあらわれた謎の侍

 この日の課題図書は『黒書院の六兵衛 上・下』(単行本:日本経済新聞出版社 文庫:文藝春秋)。幕末を舞台に不戦開城決した江戸城にあらわれた謎の武士・六兵衛を巡る時代ミステリーの傑作だ。稲垣さんは「最初は歴史小説だから難しいのかなと思ったけど……、どんどん引きこまれました。サスペンスとかミステリーみたいな感じで読みやすかった」と感想を語った。

 また稲垣さんが「映像になったところも観てみたい」と期待を口にすると、浅田さんは「どうですか主人公で」と稲垣さんに打診。すると稲垣さんも「ほんとですか! よろしくお願いします。『ゴロウ・デラックス』って番組で会った稲垣君じゃなきゃやらないよって先生が一言言えば絶対に僕はできます」と笑いながら頭をさげた。また稲垣さんは黙して語らない主人公のため、映画になったとしてもセリフはないが「役者冥利につきますよ」と難しい役に挑戦することを望んでいた。

■着物を着る理由

 この日の浅田さんは着物姿で登場。しかし着物を着てきたのは着物を着てきてくれとTBSのスタッフに頼まれたからだと告白した。普段は洋装でトレーニングウェアなどでも外出するという。畳敷きの和室の仕事場が公開され、着物を着るのは「畳に座るため。ズボンじゃ長く座れない」と着物は仕事着だと語る。そして畳の上で執筆をする理由を「周りに資料を広げられるから。江戸の地図を右側に、左側に江戸城の地図、後ろに辞書とか資料。椅子に座ると360度に置けない」と時代小説を執筆するときならではの理由があると解説した。

ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回2月2日のゲストは春日太一さん。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年1月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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