『日本の最も美しい教会』
- 著者
- 八木谷 涼子 [著]/鈴木 元彦 [写真]
- 出版社
- エクスナレッジ
- ジャンル
- 芸術・生活/写真・工芸
- ISBN
- 9784767822563
- 発売日
- 2016/12/21
- 価格
- 1,980円(税込)
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【写真集】『日本の最も美しい教会』八木谷涼子編著、鈴木元彦撮影
[レビュアー] 産経新聞社
■敬虔な祈りにじむ
キリスト教は1549年にフランシスコ・ザビエルによってもたらされたが、まもなく禁じられ、再び宣教師の活動が始まったのは1859年のこと。近代教会の建築はここから始まり、まず横浜天主堂(現カトリック山手教会)、次いで大浦天主堂が建てられた。ただ、それらはあくまでも居留地に住む外国人向けのもので、日本人がそこで祈ることはかなわなかった。67年には禁教時代最後の弾圧事件「浦上四番崩れ」が起こり、禁教政策が廃止されるのは73年のことだった。
本書は、東京のカトリック関口教会のような豪壮なものから、長崎のカトリック大野教会のような質素このうえないものまで61の教会を紹介している。大きさや形に関係なく、信者の敬虔な祈りが堆積し染みこんだ空間はどれもがはっとするほど美しい。
数々の教会の中で、筆者がぜひとも訪ねてみたいと思ったのは、五島列島小値賀島の2キロ東に浮かぶ野崎島にある旧カトリック野首教会堂だ。無人の丘の上に遺されたレンガ造りの教会。五島列島中通島生まれの棟梁建築家、鉄川与助の設計で1908年に建てられたという。(エクスナレッジ・1800円+税)