NHK報道番組「クローズアップ現代(クロ現)」の顔だった筆者が心情を吐露(とろ)している。NHKとの出合い、駆け出し時代をへて、平成5年から23年間続いた「クロ現」の放送終了までを真摯(しんし)に振り返る。
注目は、記者によるやらせが指摘された一昨年の「クロ現問題」を、どこまで書き込んでいるか。筆者はキャスターでありながら取材現場の隅々までは知り得なかったこと、制作の組織的問題点に触れている。それは、筆者にとってギリギリの反省と誠意なのかもしれない。報道を目指す人々にとって示唆に富む参考書だ。(岩波新書・840円+税)
-
2017年2月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです