【児童書】『にゃんともいえない! ネコのふしぎ』小野寺佑紀著、今泉忠明監修

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【児童書】『にゃんともいえない! ネコのふしぎ』小野寺佑紀著、今泉忠明監修

[レビュアー] 産経新聞社

 ■ヒトとの関係には“事件”も

 ペットブームの一方で、人の身勝手で捨てられるイヌやネコが後をたたない。そんな不幸な状況を生まないために、ペットと暮らすための知識を子供たちに伝えたいと企画された全3巻の“読み物図鑑”シリーズの第1弾。

 ネコをテーマに、ヒトとのつながり▽体の構造・習性▽種類-の3つの視点から、その謎と不思議にせまる。

 ユニークなのは、絵本仕立ての第1章。エジプトで始まったとされるネコとヒトとの出合いの物語やヨーロッパの魔女伝説、日本の化けネコ、招きネコ伝承なども交え、時代や地域によってヒトとネコの関係にさまざまな“事件”があったことを5つのエピソードで紹介する。

 また、ネコの耳や瞳、尾の動きといった体の構造や習性を説明する第2章、アメリカン・ショートヘア、スコティッシュ・フォールドなど世界のネコを紹介する第3章もタッチの違うイラストを採用。3つの章をそれぞれ独立して楽しめるよう工夫されている。(ミネルヴァ書房・2800円+税)

 服部素子

産経新聞
2017年3月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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