かわいい猫で歌舞伎の楽しさがわかる 中江有里がお薦めする絵本「かぶきねこさがし」

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 3月8日放送のNHK総合「ひるまえほっと」に女優で作家・書評家の中江有里さん(43)が出演し、月に1度の「ブックレビュー」コーナーで3冊の本を紹介した。

 この日中江さんが紹介したのは、以下の3冊。

『井伊家の教え 彦根藩・末裔の娘が語る赤備えの精神』井伊裕子[著](朝日新聞出版)
『すばらしい新世界〔新訳版〕』オルダス・ハクスリー[著](早川書房)
『どこじゃ? かぶきねこさがし かぶきがわかるさがしもの絵本』瀧晴巳[著]吉田愛[絵](講談社)

■「おんな城主 直虎」をさらに楽しむ

『井伊家の教え 彦根藩・末裔の娘が語る赤備えの精神』は彦根藩主末裔の女性が井伊家の歩みをまとめたエッセイ。徳川四天王の一人井伊直政は関ヶ原の戦いでの武勲で彦根の地を拝領。以来徳川幕府を支えてきた井伊家。桜田門外の変で倒れた直弼や大河ドラマで注目を集めた、おんな城主・直虎などにも言及されている。

 中江さんは「ざっくばらんに綴られていて、読んでいて、へーっていう驚きもあったり、すごく面白くて、親しみやすい」と解説。また井伊家の文化財を守っていく苦労など「名家のファミリーヒストリーが非常に面白い。著者の裕子さんは現代の直虎といってもいい」と語り、この本を読むと大河ドラマをさらに楽しむことができると薦めた。


■感情までも制御された新世界

『すばらしい新世界〔新訳版〕』は西暦2540年のロンドンが舞台のSF小説。世界戦争終結後に作られた暴力を排除し、安定を最大のモットーにした世界。その世界に疑問を抱く登場人物たちが取った行動と、迎える結末とは。不朽のディストピア小説が新訳で登場。

 中江さんは「ディストピア小説なんだけど、明るくてユーモアがある。そこに底知れぬ怖さを感じる」と感想を述べた。新世界は人工的に制御され、個人の不快な感情でさえ薬によって抑えられている。そんないびつだが完璧な世界について中江さんは「すごく考えさせられたのは幸せの概念。現代だと負の感情といわれるもの、寂しさとか不快さとか、孤独、悲しみみたいな、一見マイナスに見えるようなものの必要性を感じた」とコメントした。

■歌舞伎好きにも、初心者にも

『どこじゃ? かぶきねこさがし』は歌舞伎の有名な演目をかわいらしい猫のイラストで分かりやすく解説した絵本。初心者にもお薦めの歌舞伎の魅力を分かりやすく解説した一作。とりあげられのは「勧進帳」「義経千本桜」「青砥稿花紅彩画」「菅原伝授手習鑑」「仮名手本忠臣蔵」のいずれも有名な5本。あらすじや登場人物、名ぜりふなどが全て猫のイラストで解説されている。

 中江さんは「衣装やお化粧に込められた意味も分かることが多くて、歌舞伎の入門にぴったり」と薦めた。また「お子さんと読むのも楽しいし、基本を押さえておくと、歌舞伎をご覧になったときに、これがそうだったんだとわかる」と解説した。番組司会の島津有理子アナウンサー(43)も「ストーリーが覚えられないんですけど、この本であらすじを読むとすっと頭に入ったような気がして、分かったうえで歌舞伎を見ると面白さが何倍にもなる気がしました」と薦めた。

 同書は番組放送中からネット書店Amazonで売れ始め、8日16時現在、Amazonの絵本ランキングで2位にランクインしている。

ひるまえほっと」はNHK総合で月曜から金曜11:05からの放送。「ブックレビュー」コーナーは月に1度放送される。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年3月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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