短いようで長い……、“6秒”が人生の分かれ道に!?――「怒り」をコントロールするテクニックを教えます。

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2. 「グラウンディング」で意識を集中する

あとで振り返ると「何であんなに怒ってしまったんだろう」と不思議になるほど、怒りの感情は私たちの意識の全てを支配します。

怒りに意識がいけばいくほど、怒りは膨らみ、やがて爆発することに……。

その場に釘づけにするという意味合いをもつ「グラウンディング」というテクニックは、自分の身の周りにある物に意識を集中して観察することで、頭に上りかけた血を下げ、気持ちを冷静にさせる効果があります。

意識を集中する物は、身の周りのペンや電話、時計など何でもかまいません。たとえば、上司からの理不尽な叱責に腹が立ったとき、相手の後ろの壁に掛け時計があれば、その秒針に意識を集中してみるのです。理不尽な上司から気持ちをそらすことで、想像以上に頭に上っていた血の気が引いていき、冷静になることができるでしょう。

3. 「タイムアウト」で仕切り直す

会議や打合せの場で、怒りに支配されないまでも、議論が白熱し、けんか一歩手前の言い争いになってしまうといった状況下で役に立つテクニックが、「タイムアウト」です。

「タイムアウト」とは、怒りを感じたとき、いったんその場を離れることで冷静になる時間をとることです。バスケットボールの試合で、自分たちが不利な状況に立たされたときにゲームの時間を止め、次の手を探したり、熱くなった選手の頭を冷やしたりするための「タイムアウト」と同じ考え方です。

短い時間のタイムアウトで済む状況なら、「ちょっとトイレに行ってきます」といったん、席を立つ。また、ちょっとした休憩をとったり、会議室の窓を開け、空気を入れ替えることで、気分転換になり流れを変えることができます。

お互いの頭に血が上り「一歩も譲れない」という状況で、長めに時間をとったほうが良い場合は、「申し訳ありませんが、少し頭を冷やしてきたいので、時間をください。○分後に話し合いを再開しませんか?」と提案し、怒りを感じた場所から別の場所へ移動するようにしましょう。

「タイムアウト」のポイントは、とにかく怒りを感じた場所から離れることです。相手との距離を物理的にとることで、エスカレートしそうな怒りの感情を落ち着かせる時間を稼ぐのです。

このテクニックは、仕事に限らず、夫婦げんかや子どものわがままにカッとしたときにも、使えます。

ただし、その場を離れるのは一時的であることを相手に伝え、必ず戻ることやその時間を穏やかに伝えるように気をつけましょう。何も言わずにその場を離れてしまうと、「ふてくされて出て行った!?」と、相手の怒りの火に油を注ぐことになるかもしれません。

 ***

会社や家庭、さらには公の場など、さまざまな場所で「怒り」が溢れています。人にとって怒りの感情をもつのは当然のことであり、なくすことはできません。しかし、怒りやイライラを軽減することで、きっと私たちの毎日が楽しいものとなるはずです。

「怒り」という、人によって形の違うデリケートな感情を、味方につける習慣を始めてみてはどうでしょう。

日本実業出版社
2017年3月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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